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~ ファン国城へ到着 ~
「ミニョ、ファン国城へ着いたぞ … 」
帰りの馬車の中、ミニョを腕に抱いて離さなかったテギョンは、その額に口づけながら揺り起こした。
ファン国城を見上げると、マテの部屋には煌々と灯りが点いている。ミニョを求め、マテが夜泣きをしているのかもしれない。
「あ … テギョン様、すみません。また私、眠ってしまって … 」
申し訳なさそうに起き上がろうとするミニョに、テギョンは皮肉たっぷりに言い返す。
「フン、間抜けな寝顔だったぞ」
「えっ、そ、そんな … 」
眠るミニョの顔に何度も頬ずりをし、その体温や鼓動を確かめながら見つめていたクセに、テギョンはやはり素直になれない。
言いたい事は、山ほどある。
あの賞金クビの海賊男とは、本当に何もなかったのか …
まさか自分の意志で、ファン国城を出て行ったのか …
自分への愛情が、冷めてしまったのではないか …
ミニョを愛し過ぎるが故に、心配事は尽きない。
けれど …
その返事が怖くて、テギョンは聞くに聞けなかった。一度、口に出してしまえば、きっと押し殺していた感情が次々と溢れ出すに違いない。
それがまた、ミニョを追い詰めてしまうのではないかと …
まだ眠い目を擦るミニョを前に、テギョンは想う。
つくづく自分は臆病な男だと …
こんなにも、ミニョを失うのが怖い …
「ミニョ … 」
「テ、テギョン様 … 」
それ以上は何も言わず、ミニョを息も出来ないほどに抱き締めるテギョン。
起きたばかりで意識がぼんやりしているミニョは、戸惑いながらもされるがままにしている。
「もう … 二度と俺の側を離れるな」
絞り出すようなテギョンの低い声が、ミニョの耳から身体へ入り込む。
後悔しても遅いが、自分の軽率な行動で、ただでさえ多忙なテギョンに心配をかけてしまった。返す言葉もなく、ミニョは頷く事しかできない。
「はい … 」
「俺やマテと … ここで、ずっと暮らす。それでいいか … ミニョ … 」
ミニョの肩に顎を乗せて顔が見えないテギョンの声は、少し震えている。
こんなにも自分を必要としてくれるテギョンに、何と詫びればいいのか …
「はい、テギョン様 … 」
ミニョは、テギョンの背中に両腕を回し、その手に精一杯の力を込めた …


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