~ 海賊チャンの『おとぎ話』4 ~
そうそう、ソイツぁ、王族のクセにからっきし酒に弱くてよ …
海賊からすりゃ、スカした王族や貴族なんて酒と女遊びぐれぇしかする事ぁねぇように見えるが …
何でもソイツぁ、血筋は王族でも町の教会で育ったらしい …
生まれた時から海賊暮らしのキャプテンは、神様なんてモンは信じた事ぁねぇが、その女と出逢った奇跡だけは感謝してぇと思った …
甲板の鼻先で一緒に見た夕陽は、俺がそれまで毎日のように見てた中でも一等、キレイに見えて …
ソイツの頬から流れる涙の雫は、例え他の男の為のモンだとしても、どんな宝石より輝いてた …
好いた男がいたって関係ねぇ …
どこにも逃げ場がねぇ海の上で、ソイツを抱いて、抱いて、抱いて …
そんな野郎の事なんざ、忘れさせてやるつもりでとっておきのワインまで出して口説いたのに …
その女はケラケラ笑って、ま~た眠っちまいやがってよ …
いつもの調子が出なかった海賊は、またもやお預け喰らった腹いせで、ソイツを抱き枕代わりに …
顔中を舐め回すようなキスをして、ギュ~っと自分の身体で包み込むようにして寝た …
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翌朝 …
そのキャプテンの男は、ソイツに水浴びをさせてやりたくて、お気に入りの無人島に連れて行ってやった …
もちろん、女の為でもあったが …
何より、ソイツを抱くのに自分の身体もキレイにしたくて …
少しぐれぇの水を浴びた所で、海賊が品の良い王子になれる訳ねぇのは分かってたが …
頭から足の爪の先まで、澄んだ滝の水で清めたら、その女を抱いていいような気がして …
よしゃあいいのに、海軍に追われてるのを承知で無人島に船を着けちまったんだ …
あれが、運の尽きだったんだよなぁ …
その女に涙を流させた男が、ヤツれた面ぁして取り戻しに来やがった …
フン、大国の王子様だってぇ割にゃ、船にも乗った事ねぇ野郎でよ …
けど、その女に命懸けで惚れ込んでるのは、海賊でも分かった …
久々にゾクゾクするような殺気を向けて来やがって、シャクに触るから思いっきり目の前ぇで『海賊の挨拶』をしてやったら …
本当に殺されそうな勢いで、その目付きの悪ぃ野郎は襲いかかって来た …
その野郎が、独りで海図にも載ってねぇ無人島に来る訳ねぇから、海軍が反対側に来てる …
大国の王子ってのが本当なら、海軍船に乗ってた兵どもがウヨウヨ上陸してるはずだ …
短剣しか持ってなかった海賊のキャプテンは、逃げるしかなくってよ …
まだそん時ぁ、その女が『一生モンのお宝』だったって …
気づけねぇでいたんだ …


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~ 海賊チャンのエピソードあれこれ ~
→ 海賊チャンの始まり、パラレル本編での最初のエピソード
→ 海賊チャンの宝箱 ( 投稿時、グンちゃんに特殊メイクをしたのでアメ記事にしてたのを公開にしました )
→ 番外編1 『ギャングの親分チャン』編
→ 番外編2 『海賊チャン』編

