先日小3の娘が漢字テストの勉強をしていて、「3年生になったら漢字が難しくなって覚えられないよ~」と言っていたので、「考えなくても手が勝手に書けるようになる位、ひたすら繰り返し書いて練習して体に覚えこませるのよ。」とアドバイスをしました。

 大学生の時に小学生から大学受験の浪人生まで数々の子の家庭教師や塾講師をしてきましたが、勉強が出来るようになる子というのは、素直に体が体得するまで単純なことをひたすら繰り返すことのできる子です。

 例えば掛け算でも、基本は九九ですよね?まずは九九を頭で考えなくても口だけでつらつらと言えるようになるまで練習した子は、桁数が増えてもすんなり進んでいくことが出来ます。高校の数学の問題なども、公式が完璧に頭に入るまではひたすらその公式をつかった基礎的な問題を繰り返し、完全に自分のものになってから応用問題に取りかかった方が実は早道です。

 勉強が出来ない子に限って「こんな公式覚えても大人になって何の役に立つの?」とか生意気な口を叩くものですが、そういう子には「ない頭で考えるな!!ひたすら覚えろ!!」とかなりスパルタで指導しました(笑)。その子はその後名門N医大に合格しましたので、今頃は立派な医師になっていることでしょう。

 以前勤務していた大手クリニックでは多くのドクターを指導してきましたが、手術が上手になるドクターというのは、最初はまず指導された通りに手術を行います。ある手術がスムーズに出来るようになるためには、少なくとも10例以上は経験する必要がありますから、その10例をまずは黙々と教えられた通りに行うべきなのです。その上で、自分なりに疑問に思うことや改善した方が良いと思うところは指導医の手を離れてから自分の責任で工夫して変えていくべきなのです。

 手術が上手くならないドクターというのは、まだその手術を体得していないにもかかわらず、勝手に手順を端折ったり、楽をしようとしたりします。体得しないうちに変に自己流に走るドクターで手術が上手になったドクターは一人も存じ上げません。

 私が十数年前にわきがの手術を教えて頂いた時は、まずは50例は教えられた通りにやって完全に手術法を体得しました。その後に術後の合併症を見ていて、「もう少しここはこう変えてみた方が良いかもしれない?」と疑問を持つようになり、自分なりの工夫をするようになりました。そうして症例数が100例を超える頃には違う世界が見えてきました。その後も少しずつ自分なりの改善を加えながら1000例を超えたら、また新たなステージに上がったと思います。どんなに手術を上手に行っても、わきがの手術にはある種の頻度で合併症が起きますが、今では症例数が2000例を超えていますのでどんな合併症にも対応することが出来ます。

 私の持論では、ある程度の成長を遂げるまでは「量は質を凌駕する」と思います。ただし漫然と量をこなすだけではそれ以上のステージに上がることはできません。ですから、ある程度の量を経験した後はそこから何かを感じ取ったり考えたりする必要があると思うのです。

あきこクリニックTEL03-5717-3444またはメールinfo@akiko-clinic.com までご連絡お待ちしております。当院ホームページはhttp://www.akiko-clinic.com です。

ランキングに参加していますので
こちらをクリックして下さい★
    ↓↓↓↓↓↓
http://beauty.blogmura.com/