先日友人の弁護士さんとお話をしていたら、「医療問題の訴訟で、進行乳癌を拡大手術で摘出した症例で、手術自体には何の問題もなかったのだけれど、なんで乳房温存手術についてきちんと説明しなかったのかということで訴訟になって医療サイドが負けた判例があるんだよね。拡大手術でなければ治せないから拡大手術をしたのに、ひどい話だよねえ?お医者さんも今は大変な時代だよね。」と言われました。

 もしも私がこの乳癌の手術を行う担当医だったら、乳房温存手術についても説明し、「あなたの場合は○○なので(例えばリンパ節転移をしているのでとか)温存手術を行うと5年生存率は○%で、拡大手術を行った場合は5年生存率は○%ですが、どちらになさいますか?私としては完治が望める拡大手術の方をお勧めしたいと思います。」と説明し、訴訟にならなかったと思います。

 世の中にはいろいろな価値観の方がいますし、医師は「生命を守るためにはなんでも犠牲を払うべきだ」とは言ってはいけないと思います。もしかしたらこの乳癌の患者さんは「完治が望めなくても、5年生存率が1%でも乳房を温存したい。」とお答えになるかもしれません。それをろくに温存手術の説明もせずに拡大手術を行ったのだとしたら、いくら命を助けてもそれは医者のエゴでしかないと思うのです。

 私が美容外科医をやっていると言うと、「訴訟が多くて大変でしょう?」と言われることがよくありますが、10年以上美容外科医をやっていて、訴訟になったことは1度もありません。それ以前にクレームになることもほとんどありません。それは、私が術前のカウンセリングをきちんと行っており、いろいろな選択肢とそれぞれのメリットデメリットについて説明しているからだと思います。

 私のお友達で物凄く流行っている歯科医師の女医さんがいますが、彼女に成功の秘訣を聞いたら「腕とトークです。」と仰っていました。私もまさにその通りだと思います。必要な説明をきちんとした上で技術で結果を出すことが我々医師には求められているのです。もしもこれから医師になろうという方や、お子さんを医師にしようと思う方は、「コミュニケーション能力」をアップさせるように頑張って下さい。医師に必要なのは心身ともにタフであることとコミュニケーション能力と一生勉強を続けることに尽きますからね。

あきこクリニックTEL03-5717-3444またはメールinfo@akiko-clinic.com までご連絡お待ちしております。当院ホームページはhttp://www.akiko-clinic.com です。

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