ふと、恋愛小説の主人公は美しい容姿なのかと考えていた。

小説の中では、その人物の『美しさ』を描写するために饒舌に言葉を重ね合わせている。
それは、美しい容姿の人の視線の先を、人間像を読み手に想像させるためだろうと思う。

美しいという力のある事象に対して饒舌になって読み手に強く強く繋げる事が、恋愛小説の定石なのだと思い至った。



表現とは、感動を形にすることだと思う。
だけど感動とは、働きかけて繋ぐ力なのだと思った。

表現の中身が何もなくても構わないのだとも思う。だって作り手の主観と鑑賞者の主観は一致しない。

今まで私は、自分と自分が生み出す作品の間が太く短く真っ直ぐに繋がれている物ほど、感動を伝えるのだと思っていた。
それだけではなく、鑑賞者を引きずり込む力が、作品の価値を決めるのだと思った。


別件だけれど、
昨日は本を買った。数年前から気になっていた作家の漫画だった。
美しい絵、作者の人柄、キャラクターの生き様。物凄いバランスで成り立っていた。
きっと恐ろしい程の勘の良さと、研鑽とが作品の裏にはあって。研鑽によって磨耗されなかった心の感度が、作品の中で輝いていた。作者の人柄の暖かさも伝わってくる。

大好きな作品をいつか誰かに紹介したいと思う。