今日と明日は 春祭り。
父がいない春祭りは淋しい。

「お父さん…ほんとにいないんだね…」

二階は去年のあの時のまま…。
私が寝ていたお布団も、父に書いた便箋とペンも…
父の部屋も…父の服も…お守りも。
まだ父の匂いがしてる。
この部屋は時間がとまってる。
何も変わっていないのに、父だけがいない。

時間が過ぎるのが早すぎる。
満開の桜も…
桜吹雪にちらつく桜を見るのも切ない。
太鼓の音も鐘の音も悲しく聞こえる。

去年のこの時期は何をしていたっけ。

決断をするのに悩んでいたかな。
あなたにもずっと話を聞いてもらっていたっけ。

お祭りも桜も見ている余裕がなかったな…。
父は顔が腫れて、自分の余命がわかるかのように
「病院には行きたくない」と言った。
あのまま、家で余命を過ごさせてあげてもよかったのではないか…
今でも私の決断は間違っていたのじゃないかと悔やむ。

あの時は、1%の可能性にでも賭けたかった、生きてほしかったのだ。
でも、今思えば私は自分のことしか考えていなかったように思う。

その気持ちに答えてくれた父。

「生きたい。生きたい」と頑張っていた父。
無念です。


今日お母さんに冷たくしすぎた。
ごめんね。
お母さんにしか 私はあたる人がいなくて
ついつい甘えちゃんだね。
今度は優しくしよう。後悔しないように。