ワタシのブログはかなりマニアックな内容ということもあって、読まれている方は少ないと思うのですが…(^▽^;)


それでも、時折、「比良山に行くにあたって情報収集」の一環として検索で見つけられ読んでいただくケースがあるようです。


ということで、表題の件について、このところ感じていることを書き留めておきます。


比良山は積雪期は大変美しく、特に、武奈様には、関西大都市圏のすぐ近くにあるにもかかわらず、それなりに本格的に冬山を楽しめるということで、例年たくさんの方がワカンやスノーシューをはかれ訪れます。


今シーズンは既に例年より一足早くそこそこの積雪となり、例年にも増して人気となるのではないかと思いますが…


今冬シーズンからは、これまでより遥かに綿密かつ慎重な計画作りと情報収集が必要となってきます。

このブログを読んでいただいている方は、どうかこのことを肝に銘じ、安易な山行をなさらないよう、くれぐれもご注意くださいませ。


その最大の要因は…

ご存知かとは思いますが、今冬シーズンからは冬季、出町柳からの(逆方向も)京都バスが土日祝日も運行せず、坊村への行き帰りは、公共交通機関としては堅田からの江若バスのみとなることです。

これまでは、出町柳から京都バスで来れば、午前9時前に登り始め、下山後15時台の堅田行江若バスに仮に間に合わなかったとしても、17時台の京都バスで出町柳に向かうことができました。

また、堅田から江若バスで坊村に来た場合も、10時少し前から登り始め、17時台の京都バスで帰ることができるという時間的余裕がありました。


これが、今度の週末から冬期は坊村~武奈様山頂ピストンをする場合、(公共交通機関を使った場合)堅田からバスで来て10時ぐらいから登り始め、急いで下山、15時46分の江若バスに間に合わなくてはならなくなります

正味6時間ない…健脚さんなら、昨日程度の積雪なら可能かもしれませんが、例年通りワカンorスノーシュー装着が必要なほどの積雪となると、6時間弱でピストンすることはかなり困難、一般の方ではほぼ不可能と考えてよいと思います。可能であっても…余裕がない中で急ぐことは、怪我や事故のもととなるでしょう。


となると、公共交通機関を使う場合、坊村から武奈様山頂へ登る場合は、東の琵琶湖側へ下山するケースが今シーズンからは一般的とならざるをえないと思います。


①八雲ヶ原経由で北比良峠→ダケ道→大山口

②コヤマノ岳山頂経由で南尾根(登山地図にない冬道)→金糞峠→正面谷→大山口


というのが一般的ルートとなると思われます。


大山口→イン谷へおりれば、JR比良駅は1時間に数本電車がありますし、心理的余裕を裏付けとした安全性という面からみても妥当と思います。


ただし…行程の時間管理は非常に大切になること、くれぐれもよく理解しておいていただきたいと思います。


坊村を10時少し前から登り始めると、無雪期の健脚さんなら正午前に武奈様山頂に到着できますが、積雪期ではそういうわけにはいきません。おそらく、順調に行ったとしても13時~14時、場合によっては14時を大幅にオーバーすることもありえます。御殿山でランチとなった場合、その可能性は十分ありえます。


となると、①のコースの場合、八雲ヶ原に到着するのは遅いペースの場合15時~16時、確かに日没までにはなんとか大山口に到着できるかもしれませんが、その時間ですとダケ道はカチンコチンに凍っている恐れがあります。非常に危険です。

したがって、遅くとも14時30分頃には八雲ヶ原に到着できるよう、時間管理を徹底しながら登ってきていただきたいところです。もし難しそうということでしたら…思い切って御殿山で撤退し坊村へ下山、15時台のバスで帰るという早めの決断もこれまで以上に求められてくると思います。


八雲ヶ原北部湿原(旧ヒュッテ跡)にいますと、「北比良峠はどっちへ行ったらいいですか?」というご質問をしょっちゅう受けます。これはスキー場撤去にあたり、各標識から“ロープウェイ山頂駅”の表示が消されたものの、そのかわりとなる“北比良峠”という表示が新たになされなかったことによるものでしょうが、中には地図も持たず、夕方になってから来られるという危険なケースも多々あります。積雪期は、この様な安易なケースは、遭難、時には命の危険に直結します。

ワタシが現地にいる時は極力案内をするようにしていますが、誰もたずねる相手がいない場合は、北比良峠への道を探して右往左往し時間をロスする方も少なからずいらっしゃるやに聞いています。


あまりにも「北比良峠はどっち?」とのご質問が多く、安全上必要不可欠と痛感しましたので、3カ月ほど前から地図と付近の画像を北部湿原前標識にくくりつけご利用いただいており(大津北警察署の方から「いい仕事ですね~」とおほめの言葉がありました…笑)、先週より風対策&景観上から小型化した上でよりわかりやすいようにしましたが(早ければ次週冬verに変更します)、そもそもそこに到着する時間が既に遅かった場合は、どうしようもありません。


②のコースの場合も同様です。

コヤマノ岳南尾根は登山地図にこそなく、以前は知る人ぞ知るルートで冬道としてよく使われていた様ですが、昨秋、有志の方々が取り付き等をわかりやすくしてくださり、雪が深かった昨シーズンは、その安全上の貢献度は大きなものがあったことは疑いようのないところ、雑誌で紹介されたこと等もありこのところ歩かれる方も増え、この冬シーズンも大活躍となるでしょうが、いくら武奈様~金糞峠間の最短ルートとはいえ、積雪期はそれなりに時間がかかります。時間が遅くなると…凍った状態の金糞峠下ガレ場や青ガレをおりなくてはならなくなります。正面谷は、K仙人様はじめ有志の方々がデイリーで整備してくださっていますが、本来は死亡者も出ている危険なルートです。日が暮れてきて雪が凍りつく前に下山したいところです。


次に、東の琵琶湖側から登る場合について…


多くの場合、ダケ道or正面谷をあがって武奈様山頂を目指すことになろうかと思いますが、武奈様山頂までのアプローチ距離が長くなりますので、時間管理はより重要になります。

ちなみに、昨シーズン、ワタシはJR比良駅を午前7時前に出発することがよくありましたが(さすがに今シーズンは無理…笑)、それでも大雪後は八雲ヶ原への到着は13時を超えることが時折ありました。金糞峠から観音様ロード(奥の深谷源流部)のラッセルに手間取りました。正面谷から八雲ヶ原を経由してさらに上を目指すのは、積雪期は現実的ではないと思います。ダケ道を上がる場合はそれよりは多少マシでしょうが(ワタシは登りでダケ道を使いたくないので詳しくはありません…笑)、似たりよったりではないかと…。

少なくとも、JR比良駅を午前9時前後に到着する電車で来られて、それから武奈様山頂を目指すのは結構キツく安全上もおススメできませんので、もっと早い時間の電車でこられることをおススメします。


また、正面谷を上がり、金糞峠からヨキトウゲ谷を経由して中峠を向かうルートも、積雪期はあまりおススメしたくはないですね…。ヨキトウゲ谷をよく歩かれる方ならご存知と思いますが、今、ヨキトウゲ谷は結構荒れています。無雪期でも歩きづらい傾向がありますが、積雪期となるとその危険性は何倍にも膨れ上がります。谷ですから、より深い雪に埋もれますし、その下には沢、あれた登山道が隠れています。ましてや…中峠からさらにワサビ峠まで行き、西南稜を歩いて武奈様山頂へ向かうなど、積雪期ではわざわざ自ら遭難しに行く様なものであることが多々あろうかと思います(もちろん、積雪状態、経験・技術によって違ってきますが)。そもそも…辿りつけないかと…(;^_^A


正面谷から上がった場合は、安全上、前述のコヤマノ岳南尾根ルートを使われることをおススメします


尚、いずれの場合でも…地図読みとコンパス活用は必須と思います。


以上、現段階におけるワタシの意見です。


多少でもご参考になるということでしたら、ご活用ください。