徒然草

徒然草

PTSDを卒業し、幸せを叶え中✨



やわらかい毛布


まくらのふくらみ

あなたの手の平

うねる運命線

天井のしま

耳たぶ

かわいた爪

ぬくもり

お夕ご飯

ニンジン

セロリ

おみそ汁

お皿の宇宙

おなか

のばした足

ほおをぬぐって

ひとみの湿りけ

まゆげ

への字のまゆげ

くちびる



あなたの前髪

かきあげて

ぎゅうっと

抱きしめる

あなたのあなた

あなたの愛している人

あなた

見上げている人

星に見つめられている

宙(そら)

抱きしめられている

満天の宇宙に

きらり

飛行機の点滅

70億分の1の

小さなあなた

どこかで

見ている

70億人の

大切な

想いの数だけ

ともる映画

今日という一日

おつかれかまでした

ありがとう

おやすみなさい

あなた

あなた

あなた は あなた

愛しているのは あなた

透き通る光が降りてきて

君の頬を丸く染めた  

指折り数えたら

真っすぐ昨日に振り向いて

照れていた「おはよう」が

笑顔で溢れ出る


つがいの鳥は鳴いていますか

細い君の指が苦しそうに折り畳まれて

咳込んでいないか心配で

意地張らないでよと呟く


「好きだよ」


言えた今日はさよならの日

厚い帳が吹き飛んで

何でもない僕達がいた

また呼んでよ

いつでも駆けつけるから

君の側で結局私は丸くなる


見つからなかった神さまが

一瞬で信じられるようになった

あの日   あの時  

君が微笑んでくれたから


もう長いこと

伴走してくれているの

人間だった神さまの

言葉の奥で閃いた

無有の庸が混ざり合う

混濁の中で咲く蓮のように

ひとりきり

すっと

佇んで



星空があまりに美しくて
はぐれてしまいそうだ
空の大海原に
櫂を漕いで
波立たせたら
星が生まれるだろうか

イザナギとイザナミが天の沼矛でおのころ島を生み出したように
この星々を小さな私の手で突いたら
何が生まれるだろう
星々は孤独な問いに愛のまばたきで答えてくれる

それは
すべての迷い子を導く柱となり
天と地が結ばれる夕べ
地のある寂しさは
見守る宇宙の自由の中を泳いでいるから
あなたの瞳の潤い
その黒くて丸い宇宙の中に潜りこめば
祈り子となって踊り出す
口ずさむ歌は一遍の古書となり時代の彼方で発掘されるかもしれない

たとえば民俗学者が紐解く膨大な記録に埋もれても
ふと目を留めさせる一瞬の出会いの端で


お陽さまのあたる

幻のようなカーテン

あら赤い嘴の可愛い小鳥


あなたの箸が羨ましい

白いご飯になって

あなたの口に運ばれたい


見つめているわ

あなたのこと


銀のブローチ

指輪と一緒に財布に入れて

思い出と一緒に胸に灯すわ


つむぐ未来を

あなたとともに

愛らしい家族の輪を

その指に嵌めてください

詩はまじないです
伝わってくる一瞬の何か
何物にもなりえない
一瞬の夢

朝に消失した意味を巻き戻して
はぐれた光とお喋りをしている  

病が歩いてきて
うつつとゆめの間が融けて
言葉が手引くようになりました

あなたはどこにいますか
きっとここにいないのでしょう
姿がないので安心します
詩はやはり難ししく
それが無上の幸せです
けむり立つような
この実存を見るよりよほど