NHKBS1で放送された番組。

映画制作の執念が凄い。

凄まじい葛藤。命懸けの映画制作。

妥協しないんじゃなくて、妥協できないだ。

黒澤監督からの俳優への演出を聞くと、俳優が演技をサボると怒る。本当にその役に成り切って今を生きる。演じちゃ駄目なんだ。演じると怒られるし、いつまでもOKは出ない。

仲代達矢さんのインタビューが響く。二人の抜刀が早くて見えないあの椿三十郎のラストは、リハ無しで撮って本番一発OKだって。その緊張感はフォルムに焼きつく。

山崎努さんと井川比佐志さんのインタビューも永久保存版の内容。


黒澤映画制作は、競い合って脚本をつくり、セットの細部にまで真実味を追求し、俳優に演じさせない演出をし、編集への拘りが世界を魅了させた。

実は十代の頃「夢」にエキストラで参加した。観光バス何台かで御殿場の現場に行った。待ち時間が長く寒さに震えたのを覚えてる。準備が整うと黒澤監督が拡声器でエキストラに「待たせて申し訳ない」とお詫びがあり、演出を伝え演技の協力を要請した。「皆さんの緊張感がフィルムに映ります。気を抜かず演じて下さい」と。黒澤監督からの要請に全員が応えた。が、何テイクか撮ったと思うが、緊張感が足りなくなると気持ちが緩んでますと、黒澤監督から指摘を受けた。2、3テイクかでOKが出たと記憶してる。OKが出た後は、「皆さん、ありがとうございました」と感謝を伝える。

黒澤監督の声が脳裏に焼き付いてる。

その時の印象は、テレビで聞いた黒澤明監督の声と一緒だ。本人だ!と心が踊った。遠くに見える黒澤明監督はやはり大きく見えた。どこから見ても、誰から見ても、あそこに居るのは黒澤明監督だと分かるほどの存在感だった。

BS1だから、たぶん再放送あるんじゃないかな。永久保存版です。

#黒澤明

#黒澤明の映画はこう作られた

#NHKBS1