台東区立上野中学時代の同期30人余りが集まり還暦の同窓会を開きました。
私は幹事の一員であり司会をつとめました。
私たちが中学三年生の時にちょうど「3年B組金八先生」が始まりました。
ドラマの設定と全く同い年だったわけです。
私たちが中学の頃は世間的には学校が荒れていた時代です。
ところが私の中学は全くと言っていいほど荒れていませんでした。
厳しく管理されていたわけでもありませんし、確かにワルいヤツはいましたが大きな問題はおきませんでした。
先生と生徒の関係はもちろん大きいのでしょうが、もう一つ学校の立地もあるように思っています。
上野中学とはいえ上野の中心部にあるのではなく上野公園の一角にあります。
隣は寛永寺です。
たたずまいに荘厳、厳粛な感じがあり、授業中、鐘の音や時に読経が聞こえてきました。
線香の匂いも漂ってきました。
在学中に作家にして僧侶の今東光氏が亡くなった時に寛永寺で葬儀が営まれました。
朝のホームルームで先生から「今日は今東光さんの葬儀があります。廊下の窓側にたって寛永寺をのぞきこまないように」と注意がありました。
普通ならダメだと言われたらやりたくなってしまうのが中学生ですし、ひょっとしたら有名人が来るかもしれないという気持ちはありました。
しかし、寛永寺がどういう位置づけの寺なのか皆分かっていました。
なにしろ同級生には寺の息子、娘が数人いましたから。
その日はずっと静かだった覚えがあります。
普段から夕方暗くなれば周囲は墓地や林です。
学校の周辺にたむろして・・・なんて怖くてありえませんでした。
これも荒れなかった一つの理由ではないかと思っています。