「虎に翼」で傷痍軍人さんが街角でハーモニカを吹いています。

吹いている曲はいつも同じで「異国の丘」です。

 

もちろん戦争直後の曲なので私の生まれるはるか前のヒット曲です。

どうしてそんな歌を知っているかと言えばかつて見た懐メロ番組で聞きました。

合わせてこの曲のエピソードも何かで読んだか、誰かに聞いたかで記憶に残っています。

 

もともとこの歌はシベリア抑留者の間で歌われていたそうです。

戦後、NHKの「素人のど自慢」でこの歌を歌った人が現れました。

しかし当初は誰が作った歌か分かりませんでした。

誰が作った歌かも分からずに放送したこと自体この時代ならではでしょう。

 

NHKは作曲者を探し始めます。

すると「私だ」「私が作った」と多くの人が名乗りでたそうですがついに本当の作曲者が判明しました。

のちの大作曲家吉田正さんです。

吉田正さんも抑留生活を送っていたのです。

「異国の丘」のヒットがきっかけとなって作曲家への道が開けたといいます。

私が子どもの頃はまだ上野松坂屋の通路横に座る傷痍軍人がいました。

戦争が終わって20年以上がたち世は高度経済成長の時代でした。

上野の賑わいの中でそこだけが異空間だったのを今でもよく覚えています。