昨日から文京アカデミーで講座「伝統芸能への誘い」が始まりました。

第一回のテーマは「話芸に学ぶ処世術」

物心ついた時から話芸にふれてきましたが、学生時代も社会人になった後も管理職になった時も名人上手の話芸の中にあるさりげないやり取りに救われてきました。

一度まとめてみたかった内容です。

例えば三代目桂三木助「ねずみ」から

「あっしはまだ年もいきませんしネ、それほどの腕はありません。

仕事はできませんけどもね、見る目だけは持っているつもりだ」

左甚五郎とともに仙台にいった若い大工の棟梁政五郎がある彫り物師が彫った虎を見ていいます。

 

私もアナウンサーになりたてのころ、下手で下手で仕方がなく本当にやっていけるのか不安に思っていました。

その時にこの落語を聞きました。

「そうだ、一人前のアナウンスができるわけではないがとりあえず見る目は養わなければ」と思ったものです。

 

この三木助さんは草履屋長谷川のお得意さまでした。

昭和36年に亡くなっているのでもちろん会ったことはありませんが両親からエピソードは聞いていました。

ほかにも昭和の演芸黄金時代を彩った名人上手の話芸の中のことば次々に紹介し、合わせて我が家でのエピソードを交えながら1時間半の講座を進めました。

私の場合、講座とも高座とも取れそうですが。

まずは初めての講座が終わりほっとしています。

今後も自分流の伝統芸能の見方を整理し講座にしていきます。

文京アカデミーの講座はもう定員ですが伝統芸能のほか、いろいろな場でプレゼンやスピーチの講座も定期的に開きたいと思っています。