1995年当時、一連のオウム事件が起きていることのころです。

どんな事件もオウムに関連付けられ、とにかく現場へ行けという指示が増えてきました。

 

ある時、ポケベルが鳴って連絡しました。

「山手線が止まったようだからすぐ近くの駅へ行って!」

駅に向かう途中、また鳴ったので連絡すると

「なんでもなかったからいいよ」

誰かが山手線が止まったとデスクに連絡して、それを受けてポケベルが鳴らされて、私が出動したがすぐに運転が再開されて、戻ってよいということになったというてん末です。

休日のことでした。

 

またある時は。

爆発事故があって現場にむかう列車内でポケベルが鳴り、降りてホームの公衆電話から連絡しました。

「今、どこまで行った?いつ現場に着く?」

「ポケベルが鳴ったから電車降りて電話したのでこれから次の電車に乗るので一本遅くなります!」

真夏に汗だくでようやく現場に着いたもののすでに記者が到着していて私はなんの出番もありませんでした。

 

今では笑い話ですがとにかく当時はポケベルに振り回されました。

あまりに理不尽が続き辟易としていました。

仕事が終わって職場以外の仲間と飲んでいる時にまたピーピーピー。

ついに無視しました。

翌日「自覚が足りない」と叱責を受けました。

「冗談じゃねぇや!」思わず怒鳴り返しました。

 

業務の内容や相手のスケジュールを吟味せずなんでもかんでも連絡するのはこの頃から起きていたのです。

結局、改善されるのに30年かかったわけです。