1996年から3年間、ラジオの公開歌番組の司会をしました。

ゲストお二人それぞれの歌とトークで構成します。

トークは1回が2分から2分半くらい。

 

八代亜紀さんと何度かご一緒しましたが優しく「なんでも聞いて」と言ってくださいました。

冬に入ったころの収録でした。

最後の曲を前にしてのトーク。

 

私「八代さん、寒くなってきましたね」

八代さん「ホントに」

私「寒くなってくると熱いお燗をキューっと飲みたくなりますね」

八代さん「私はぬるめのお燗がいいわ」

私は「肴は何がいいですかね。イカ刺しを多めのショウガで食べるのもいいですね」

八代さん「私はあぶったイカが好きだわ」

もうこのあたりで客席から「次は舟唄よ」「舟唄ね」とザワザワしてきます。

 

私「みんなでワイワイにぎやかに飲むのもいいですね」

八代さん「女は無口なほうがいいのよ」

この調子で話を進めて2分、お客様の「早く聞かせて!」という雰囲気を感じつつ

「それでは今夜のお別れの曲です」

ほんの少し間をおいて

「舟唄」

その日一番の大きな拍手の中でイントロが流れ始めました。

八代亜紀さんとステージをご一緒できた幸せをしみじみと感じています。