冠二郎さん訃報の記事の多くに酒におぼれた時代のエピソードが載っていました。

私は直接冠二郎さんから当時の話を聞いたことがあります。

口調はいつもの通りの明るいものでしたが中身は壮絶でした。

 

「飲み過ぎると目の玉が黄色くなるけど私の場合は緑色になってました」

どんな表情で聞いたら良いのか分からなくなりました。

 

どの記事にも載っていなかったエピソードがあります。

 

冠さんは家に酒があると全部飲んでしまう。

全部飲んでしまうともう飲みたくて飲みたくて耐えられない。

酒の自動販売機は夜中の11時から翌朝5時までは停止。

冠さんは朝5時前に小銭を持って日本酒のワンカップの自動販売機の前で待機。

販売機のスイッチが入った瞬間、すぐに小銭を投入、ワンカップを買うとふたを開けると一気に飲み干したそうです。

 

そこまで酒におぼれた毎日に区切りをつけたのは「死ぬ前に紅白歌合戦に出るんだ」との思い。

夢をかなえました。

その後、酒席でご一緒しましたが誰に勧められても絶対にお飲みになりませんでした。