1995年(平成7年)は阪神淡路大震災や一連のオウム事件、函館ハイジャック事件など次から次に事件が起こり報道のリポーターとしては気の休まる時間がありませんでした。

年末が近づいてきて「さて年末年始の仕事はなんだろう」と思っていました。

上司に聞いてもなぜかはっきりしません。

 

そうこうしているうちにある日突然「紅白歌合戦のラジオ実況」と言われました。

司会者とともに発表になるので事前に言えなかったのです。

 

紅白歌合戦に関われるのは名誉なことです。

しかし正直なところ、嬉しさより不安しかありませんでした。

何しろ芸能番組の経験はほとんどなかったわけですから。

(台本)

 

ところで「紅白歌合戦のラジオ実況」の仕事とは。

・歌手がどんな衣装を着ているのか

・司会者が誰と話しているのか

・企画コーナーでは一体何が行われているのか

などとにかく次から次へと描写します。

 

事件事故でいつ呼び出されるかという日々からガラッと変わって、大みそかの準備が始まりました。