プロ野球の開幕戦で神宮球場に行ってきました。

神宮球場に行くと思い出す研修があります。

東京六大学野球春季リーグ戦に合わせて新人研修の野球実況研修が行われました。

NHKのブースで実際に実況を録音してあとで検証します。

 

私自身、野球の経験はありませんでしたが高校野球の応援で甲子園に何度も行きましたし、野球はずっとスワローズのファン。

野球の中継もテレビとラジオでずっと見聞きしてきましたからなんとかなるだろうと思っていました。

 

さて自分の番になりました。

「第1球を投げました!」

なんと球はバッターの背中を通過。

キャッチャーミットにおさまらずバックネット前に転がりました。

さぁもうこれでパニックです。

 

この様子を実況しようとしているうちにピッチャー第2球。

「投げました」の一言は絶対に遅れないというのが鉄則ですが2球目にしてもう言えません。

バッターはこれを打ちました。

「打ちました」はなんとか言いましたがこれをセカンドがエラー。

「えっと、あーーっとエラー!」

こうなるともう次の言葉が出てきません。

 

ノーアウトランナー1塁。

次のバッターが出てきていきなり初球を打ってショートゴロ。

ショートからセカンドさらにファーストにも送られダブルプレー。

なんとか「ダブルプレー」は出ました。

しかしどこに打って誰が取ってどこに投げたかは何も実況できていません。

 

動揺しているうちに次のバッターはなんとまた初球打ち。

外野フライでスリーアウト。

「センター取りました。スリーアウト」はなんとか言いました。

わずか4球で私の実況研修は終わりました。

 

視聴検討に入りました。

私の順番が来て録音が流されましたが、私は顔を真っ赤にしてうつむいているだけ。

講師の先輩アナウンサーたちも論評のしようがありません。

ある先輩が「君と話していて野球が好きなのは分かったよ」の一言で終わりました。

今でもあの時のことを思い出すと本当に情けなくなります。