私は新人NHKアナウンサーの研修を数年間担当しました。

講師というよりカリキュラムを作るのが主な仕事でした。

とにかく6月に新人アナウンサーが各放送局に赴任したらすぐに放送に出られるようにしなければなりません。

「読む」研修と共に重要な研修があります。

それが取材をしてリポートを作る研修です。

アナウンサーも自分でネタを探し、取材をし、提案をし、

それが採用されればもう一度詳しく取材をし、ロケをし、

編集をし、原稿を書き、完成させて、そして自分自身で伝えるのです。

 

こうした現場取材を通してアナウンサーとしてだけでなく社会人として成長していくのです。

初めからスタッフに囲まれてお膳立てをしてもらってマイクに向かっても成長しません。

 

ましてそれではアナウンサーという仕事の醍醐味がありません。

取材して回って各地に知り合いができ、転勤して以降もお付き合いが続きます。

 

取材経験があるかどうかは画面からにじみ出てくるのだと私は思っています。