『ハリウッドで、愛をさけぶ!』 新進映画監督 北村昭博   AKIHIRO KITAMURA OFFICIAL BLOG  
ゆうばりファンタ参戦日記(2日目)
2010年2月26日


朝、9時に起き、オカンと共に
ホテルシューパロの朝食バイキングに向かう。

いやあ、美味しかった。
アメリカでは和食の朝食はそんなに食べれないので、
感激した。飯が美味いから、どんどんイケル!
ちょうど吉田さんがいたので、一緒に食べました。

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吉田さんの、この喰いっぷりを見よ!

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ゴハン、美味しー!!

結構、みんなちゃんと起きてしっかりと朝飯を
食べていたので、その場で「どもども」と挨拶をする。

さて、この日はハードスケジュール!

まず、午前11時から、アディーレ会館で
「It's All Good」、「カルマ」、「放電」を観る。
ハリウッド至上主義のオカンは、同時刻に上映されていた
「グリーン・ゾーン」を観る。

映画の感想はというと、

「It's All Good」は、僕の友達である小泉亜子ちゃんや
この間知りあった尚玄さんが出演しているので、
楽しみにしていたのだが、、あまり意味がよくわからな
かった。(笑)正直でゴメンね。自分は英語がわかるから、
字幕を読まなかったのだけど、だから役者さんが
英語で言う台詞が伝わってこなかった。
日本人が英語で台詞を言うのは難しいのは理解出来る。
でも、問題は発音ではなくて、それがちゃんと生きているか
どうかなのだと思う。これは役者さんの問題ではなく、
監督の責任だと僕は思います。あ、でも亜子ちゃんは
レポーター役として最高だったよ。彼女の英語は
ネイティブ並みで生きていたし、さすがにプロとして
レポーターの仕事をしているだけあるね!

「カルマ」は園子温さんが全面監修、
「東京残酷警察」の西村喜廣さんが残酷効果を
担当しているだけあって、なかなか楽しめた。
僕は実はマゾなんで、ああいう西田奈津美さんが演じる
可愛い女の子に拷問されるような話にはゾクゾクしちゃい
ます!(笑)アレックスも、映画観る前は、たんなる
「園さんの英語教師」だとナメていたのだけど、映画を
観たら、しっかりと雰囲気が作れていて、映画監督として
の才能を感じる事が出来た。ああいう映画の中の「空気」
はセンスがないと作れないからね。彼はもっと映画を
撮り続けていけば、きっと良い映画監督になれると思う。
あと主演の安田暁さんはしっかりとした実力派の役者さん
だなとすぐにわかった。

「放電」は問題作だった。
25分間、長髪の謎の男が「世界は電気で出来ている。
放電しているか!?」とずーっと街の人々に聞きまくっている
だけの話し。正直、ストーリーは無いに等しいし、本当に
主人公が「放電してるか!?」と聞いているだけの映画
なので、映画を見ているときは実は僕、かなりキレていた。
「うわあ~この中川究矢という監督のオナニーに25分も
付き合わされるのかよ」と思ったらイライラしてきて、
マジで、「こんなウンコ作ってんじゃねーよ!」と怒鳴る
寸前だった。僕って、そういう事を本当にしちゃう性格
だから、危険人物認定なんですよね。(笑)
そのくらい熱い男ですから!

でも、その後に流された、彼らが作ろうとしている
「短編映画連作プロジェクト“ドグマ96”」の次回作の
予告編を見て、中川監督がやろうとしている意図が
見えてきて、逆に、「この人はある意味、今ある
日本映画界に挑戦している人なんだな。」と思えてきた。
しかも、まだ彼は若い。こういう実験的な作品を作って、
これから成長していくのだなと思ったら、なんだか嬉しく
なってきた。だから、上映後には「才能あると思います。」
と彼に直接言って称えた。彼には、同じ作風で、ストーリー
のあるものを作ってみて欲しいなあ。「カルマ」を観た直後
だったので、僕主演で、僕が90分間可愛い女の子に拷問
されて喜んでいる「M男」という映画を作りませんか?と
言いそうになったけど、確実に変態だと思われるから、
止めた。(笑)あ、でも僕自分でMって言っているけど、
ハードMでは無いですよ。痛いの嫌だしね。実は最強のS
でもあるんで、そこのところ、ヨロシク!!!(笑)

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外に出ると,「シュアリー・サムデイ」の2回目の上映の
ために人が並んでいた。この時も観れなかった!

その後、ホテルで一息ついて、昼飯を食べる間もなく、
アディーレ会館で「SR サイタマノラッパー」をオカンと共に
鑑賞!この映画は、多分今までに見た日本映画で、
「愛のむきだし」に並んで衝撃を受けた作品だった。
ていうか、僕は映画を見てめったに泣いたりしないの
だけど、3回泣きました。

1つ目は、TKD先輩が亡くなった後の、トラックの荷台で
IKKUが見せていた表情で泣いた。主演の駒木根隆介さんは
本当に表情だけで、全てを語れる役者さん。彼は本当に
最近見た中でナンバーワンと言えるほどの才能の持ち主だと
思う。

次は、みひろが演じる埼玉に戻って来たAV女優が、
また東京に帰る時に長い階段を重いスーツケースを運びながら
登っていて、途中で一息ついたその後ろ姿に泣いた。
あの重いスーツケースを自分で一生懸命に運んでいる姿に、
彼女なりに精一杯頑張っている人生が見えたんだよね。
いつもは気が強くて、言葉遣いも荒い彼女だけど、あのシーン
ではそんな彼女も小さくか弱い女の子なんだって思えて、、
ヤバイ、これ書きながらも泣けて来たぜ、、
みひろさんも、AV女優とは思えない最高の演技を見せて
いた。ていうかあの役は普通の女優さんがやっても絶対に
あそこまで上手く演じる事は出来なかったと思う。

そして最後に泣いたのは、やはりエンディング。
最後の最後で、IKKUのリリックに彼の現実と人生の重みが
入り、彼が本当のラッパーになった瞬間。
彼のあの表情。
夢を絶対にあきらめないという最後の抵抗。
そしてTOMが振り向く、人と人の心が繋がったラストカット。

僕も、高知出身で夢を見ながら育ってきた。
映画の登場人物達のように、僕の友達は今でも高知という
地方で音楽という夢を持っている。でも、夢を見るという
事は、決してそれで食べられるという事ではないという
現実も知っている。僕はLAに長い間住んでいて、本当に
たくさんの夢に破れた人間を見て来た。そんな、僕が
最大の共感を感じる事が出来たこの映画を作った、
同い年の入江悠監督には感謝をしたい。
何度も言っているが、彼はこれからの日本映画界を
背負って行く才能だと思う。

彼の想像する個性豊かなキャラクター、
役者の演技を最大に生かす長回し、
本当に面白いコメディーのセンスなど、
たくさん良い所があるのだが、彼の最大の長所は
そのストーリーテリングの巧みさにあると思う。
本当に、役者として、彼の将来の作品に参加して、
駒木根隆介さんと共演するのが、僕の1つの夢になった。
そのくらい、僕はゆうばりに行って彼ら、そして
彼らの映画に出会えて良かったと思う。
みんな絶対に観た方がいいよ、この映画!!
絶賛お薦めします!

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http://sr1.sr-movie.com/index.html


(2日目・後半に続く)