チキショー!!!!!

ファック!!!!!!!!!

マザーファッカー!!!!!!!!!

突然、すみません。
今、めちゃくちゃ悔しがっています。

悔しい!!!FUCK!!!

最近、俺は人に会うたびに、
「最近、調子いいねえ!」とか、
「波がきているねえ!!」と言われます。
「オーラにあやかりたい。」とか、
「一回、抱かれてみたい。」とか言われます。
最後のは嘘ですが。(笑)

俺的には全然そんな気がしません。
いや、まあ俺がブログとかのネットで、
ポシティブで、良い事しか書いてないから
そう思われても仕方がないのですが、、

俺は、みんなに元気を与えて、
モチベーションを上げてほしいから、
嫌な事や、ネガティブな事はブログには
書かないようにしているのです。

でも、実際は弱音を吐いて泣きたくなるような事や、
悔しい事、怒っている事、あきらめたくなる事も
たくさんあります。

俺の輝く明るさの反面には、
実は深い闇の部分もあるのです。

実は、俺はダース・ベイダーですから。
なんとかアナキン・スカイウォーカーのままで
いようとしているけどね。


で、なんで俺が悔しがっているかというと、、
まあ色々あるんだけど、、
一番ムカついているのは、
闘っていたものに敗れたから。

俺は、アメリカのある人気TVコメディードラマの
準主役の最終選考に選ばれていました。

これをゲットしたら、大金も入って来るし、
キャリアも人生も変わるくらいの大役。

みんなは、キャスティングの仕組みについて
あまり知らないと思うから、順を追って
説明するわ。FUCK! これ書きながらも、
悔しいぜ!!!


ー月曜日 第一関門ー

月曜日の昼下がりに、ある日本食レストランで
1人で昼飯を食べていると、俺のマネージャーから
電話があった。

「AKI、今日オーディションがある。
長い間シーズンが続いている
人気ドラマの準主役の役。コメディーだ!
ダサイおたくのようなアジア人の役だから、
メガネとダサイ格好をして、オーディションに臨め。
オーディションの時間は午後の5時。
それよりも前に会場にいって、
SIDES(オーディション用の脚本)を読んで、
しっかり準備をしろ。頑張って、ゲットしてくれよ!」

うおおおおお!!!
突然のビッグなオーディションに
胸が高鳴る俺。

早速、家に帰り、メガネと退屈な白いシャツと
ジーンズという格好に着替える。
髪もセットせずに、寝癖があるままでGO!!

ソニースタジオの近くにある、オーディション会場のある
オフィスに行く!!!時間は1時間前の4時。
しっかりと練習できる時間がある。

で、会場に着くと、恐るべき光景が、、
アジア系の俳優が20人くらい、
メガネをかけて、オーディションを待っている。

失礼だけど、
めちゃくちゃダサイ奴らばっかり!!
そいつらの持っているヘッドショット(プロフィール写真)
を見ると、みんなメガネをかけたオタク野郎に
なって写っている。

動揺した俺は、そのままそいつらの前を横切り、
トイレに直行。鏡で自分を見る!
白いシャツで、メガネをかけて、寝癖ありまくりなのに、
なぜだか少しセクシーに見える。(笑)
俺は別に自分の体やルックスが格好良いと思う事は
ないのだけど、男としての魅力というか、セクシーさには
自信がある。今までゲットした役も、俺のそういう
チャーミングな部分を武器にして、取ってきた。

でも、この役はそういうのが皆無な役。

とりあえず、シャツをズボンに入れて、
高い位置でベルトをしてみる。
ダサイ!!!

20人のオタク共が待つ、待合室で
SIDESを読んで
準備をしていると、横に座ったアジア系アメリカ人の
男が話しかけてきた。時間があったので、色々と喋っていて
わかったのだけど、実はこの20人ほどのアジア系俳優の
ほとんどが、しっかりと大学や演劇学校で演技を長年
勉強してきた人間ばかりのようなのだ。メガネおたくに
なっている写真をみんな持っているのも、アジア人男性には
そういう役ばかりだからだと言う。みんなプロなんだ。

そうなんだよね。
この20人のなかには、韓国系アメリカ人や、中国系
アメリカ人、日系の人もいて、ほとんどが演技をしっかり
やっている人間。もちろん、彼らの英語にアクセント
(なまり)はない。なぜ、Heroesのアンドウ君が日本人で
なく、韓国系アメリカ人のJames kyson leeに演じられて
いるかというと、それが原因だと思う。
実はアメリカにいるアジア系俳優達のレベルは、
みんなが思っているより高い。日本で成功した俳優が
「ハリウッドに来て、ここで成功する!」みたいな軽い事を
言う事もあるけど。正直、「そんなの無理!」と言える
くらい、簡単な事ではない。演技のレベルと、語学のレベルが
非常に高い人達と役を競わなければいけないのだから。
やはり、ここはハリウッド。成功すれば大金と名声を得れる
分、世界中から才能が集まって来る場所。
アメリカのアジア系俳優は、実は激戦区なんです!!!!

で、俺は考えた。
みんな完全にダサイおたくという役になっているし、
英語もアクセントが全く無い。
そういう奴らに普通に挑んでも、負けるのは目に見えている。
だから、逆に俺は自分の持っているモノを最大限に生かして、
それを武器にして勝負するしかない。あえてオタクではなく、
おもいっきりチャーミングに、日本人という事を武器にして、
このコメディーを演じる事にした。
それがたとえ、彼らが求めているイメージでないとしても、
俺は今までこのやり方で、もっと良いものを見せて、
彼らに脚本を変えさせて来た。
「Heroes」も「The Human Centipede」も、
脚本家が俺のために役を変えている。

俺のオーディションの出番がやって来る。
3人の大物キャスティング・ディレクターの前で
俺のやり方で演じる。

すると、3人が腹を抱えて爆笑!!!
俺が何を言っても、笑っている状態だ。
イケル!!!これはゲットできるかもしれない!!

オーディションを終え、会場を出て、
良い気分で車を運転して、家に帰ろうとしていると、
俺の携帯に電話が。
なんと、キャスティング・ディレクターが
もう一度俺に会いたいと言っているのだ!!!
早速、車をUターンさせる!

こういう事は普通はありえない。
実際に、俺がまたオーディション会場に現れると、
他の候補者達がショックを受けていた。
俺のほうが気に入られているという証拠だからね。

結局、キャスティング・ディレクターの3人に色々と
指導された。「もっと、演技を抑えて。」とか、
「アクセントを少なめにして、もっとクリアーにセリフを
話せ。」とかだ。確実に、このキャスティング・ディレクター
達は俺の事を気に入っている。

でも、みんな知っているかわからないけど、
キャスティング・ディレクターには、
役を決める権限は無いのだ。彼らの仕事は、
候補の役者を見て、それで良いと思った最終候補者達を
プロデューサーやTVスタジオの人間の前にプレゼンする事。

そう、この次に、「コールバック」が待っているのだ。
この、コールバックでプロデューサー達が、
誰に役をやるのかを決定する。第一関門をクリアしても、
次のチャレンジがあるのだ!!

案の定、マネージャーからコールバックに呼ばれていると
電話がある。

結局、月曜の夜は、他の仕事をしていても、どこに行っても、
SIDESを片手に特訓していた。


ー火曜日 コールバックの日ー

朝の10時のコールバックのために、
8時に起きて、準備を始める。
朝起きて、役のために髪をセットせずに
そのまま。ディスコの散歩をして、エサをあげて、
それからカフェでチャイラテを買いに行く。
ストレッチして、発声練習をして、
そして、闘いの場に挑みに行く!!!!!!!!

俺が会場に行くと、
そこには3人しか役者はいなかった。
ライバル達だ。
そいつらに、ガンをつけながら、
俺は自分の出番を待つ。

そして、俺の名前が呼ばれる。
昨日はキャスティングディレクターが俺の名前を
言い間違えていたけど、今回は
しっかりと、「Akihiro Kitamura」と言っていた。
彼らにとっても、これは正念場なんだ。
自分達が選んだ役者を選んで欲しいから。

部屋の中で待っていたのは、
この番組の脚本家兼プロデューサーの人間。
黒人の男の人だった。

そこで、俺はその場でキャスティング・ディレクターに
こう言われる。

「この役のキャラクターが変わった。まったくの
感情無しで演じて欲しい。」

えええええええええ!!!!!!??????
感情無しっていきなり突然言われても、
昨日一晩中ずーっと感情たっぷりにオモシロ可笑しく
演じるプランで特訓してきたのに。
ありえねえー!

で、ここでも、一瞬のうちに考えた。
俺はこのまま、自分の個性を殺して、感情無しで
演じるべきなのか?
それとも、昨日の大ウケしていたやり方でやって、
この黒人の脚本家に考えを変えさせるべきなのか?

結局、感情をなんとか抑えて、それでも自分の個性
が出るような、半分半分のやり方でやる事にした。
集中力を高めて、彼らの前で演じる30秒の間に、
俺の全てをぶち込んだ!
それはそれなりに上手くいったと思った。
キャスティング・ディレクターが、どう思う?と
その黒人の方に意見を聞く。

彼は、「うわあ~」と頭を抱えていた。
この役は、アジア系アメリカ人という設定で
アクセントのある日本人ではない。
他の候補者に比べて、俺はオタクという感じがしない。
でも、役者としての絶対的な俺の魅力は感じている。
だから、もし俺を選ぶとしたら、脚本を変え、
TVスタジオの人間を説得しなければいけない。

彼は彼なりにこれは真剣勝負の場なのだ。

俺は頭を深々と下げ、その場を後にした。

後は、俺がこの役を得る事を天に願うしかない。
ここから、結果が出るまでが、辛いんだ。


ー水曜日ー

そして、水曜日の午後に、
マネージャーから一言メールが。

「You did not get it. Call my cell.」

役を取れなかった、、、
悲しみと絶望に暮れる、俺。

マネージャーに元気なく電話すると、
彼がこう言ってくれた。

「Keep your faith.(自分を信じろ。)」

まじ泣きそうになったぜ。
俺のマネージャーもこの役を俺が取れるように
頑張って、もうすぐだったのに取れなかったから、
悔しいはず。でも、それでも俺の才能を信じてくれている。
彼には本当に感謝している。

彼が言うには、結局役を取ったのは、
アジア系アメリカ人で、身長155センチくらいの
凄いオタクのようなルックスの役者だったようだ。

俺が、コールバックの待合室で、ガンをつけた奴だった、、
アイツに負けた、、、

悔しい。

本当に悔しい。

今、ブログを書いているこの瞬間も、
悔しさで涙目になっている。

アジア人はオタクみたいなステレオタイプを崩す
チャンスだったのに、、

俺のためにキャラの設定を変えてくれるなんて、
甘い考えだったのかもしれない。
でも、俺は自分のやり方を信じて、
それを貫き通した。だから、それについて後悔は無いと
言いたいが、もちろん後悔している部分もある。

ああ~
こういう状態で、私生活でハッピーになるために
頑張るのも辛い。でも、キャリアだけの人間には絶対に
なりたくないから、他でも闘わなければいけないんだ。

生活のための仕事も全力でしなければ
いけないし。

映画監督としても、脚本を書かないといけないが、
やる気が出なくて、書けない。

カワイイ女の子のために、
他の男と競い合う力なんて、俺にはないかもしれない。

ずーっと、激戦の場にいるのは、疲れるよ。

ひさしぶりに、高知に帰りたいなあ~

とりあえず、今から昼飯を食べに行って、
それからだ。

ごめんね。
俺らくしない、ブログを書いちゃって。