『ハリウッドで、愛をさけぶ!』 新進映画監督 北村昭博   AKIHIRO KITAMURA OFFICIAL BLOG  

アメリカで俺の最強の友達のライオネル。
彼は黒人アメリカンです。
彼とはもう知り合って4年以上になります。
俺が行っていた演劇学校で初めて会いました。
本当に彼とは黒人とアジア人、アメリカ人と日本人という
違いを超えた友情があります。

俺の映画にも「ポルノ」を除いて、全てに出演しています。

「I'LL BE THERE WITH YOU」では
「こんにちわマザーファッカー!」という俺とライオネルが
閃いて作った名言を放ちながら、颯爽と登場します。
そして、映画で一番最初に突然殺害される役です。短い
出演時間ながらも印象に残る演技をしています。

『ハリウッドで、愛をさけぶ!』 新進映画監督 北村昭博   AKIHIRO KITAMURA OFFICIAL BLOG  
「I'LL BE THERE WITH YOU」のプレミア上映で
インタビューされるライオネル。

2007年に撮った、俺の短編の「Blinded by Beauty」には
なんと主演で、妖しい日本人の美貌に騙されて、
最後には寿司に料理されるという役を演じています。

『ハリウッドで、愛をさけぶ!』 新進映画監督 北村昭博   AKIHIRO KITAMURA OFFICIAL BLOG  
「Blinded by Beauty」 マッサージされてると思いきや、
塩コショウを体にまぶせられています。(笑)


実は、ライオネルは藤井隆さんと2回も共演しているの
です。最初は2007年の夏に俺が助監督として参加した、
すずきじゅんいち監督の藤井隆さん主演コメディードラマ
「LA BLUE」で、ライオネルは藤井さんの恋敵である「ボブ」
を演じています。なんとか俺が彼をキャストに入れました。

「LA BLUE」では藤井さんとライオネルがヒロインの
黒沢レイラさんを取り合いケンカになるシーンがあるのです
が、その本番前に俺がライオネルに「おい、藤井さんに
『くせっ!オマエ臭い!』って言え!」と脚本に無い台詞を
密かに仕込んだのを覚えています。(笑)
藤井さんもまさか黒人のアメリカ人キャストに日本語で
「くせえ!!」と言われるとは思っていなかったようで、最初
はビックリしていたのですが、すぐにアドリブで
「僕の息はアロマセロピー!ていうかおまえのほうが臭い!
バッドスメル!!」って反撃していました。(笑)
 
結果、その口喧嘩のシーンは爆笑モノになりました。

2008年の中頃に俺が監督した藤井さん主演の情報バラエ
ティー「生活ホップステップミツワ」にもライオネルは
鮮魚コーナー担当の「ボブ」として一話だけ登場しています。
その時にも、アドリブでライオネルは藤井さんに向かって
「くせっ!」と言おうとしていたのですが、それを俺は直前に
なって「それだけはやめろ!」と制止しました。まあ、言った
ら言ったで面白い事になっていたと思うのですが、全然敵対
していない関係で、普通に藤井さんに美味しいウナギの
見分け方を教える役だったので、「それは違うでしょ。」と
俺が怒られるのが目に見えていたので、ヤメさせました。

あ、別に藤井さんは臭くなんてないですよ。清潔な方で、
多分いいにおいがするでしょう。ただ、そういう存在に
アメリカ黒人の訳の分からない奴が日本語で勢い良く
「くせっ!」と言うと「どういう反応をするのか?」というの
が見たかっただけです。それが面白い事になるだろうと
俺は思ったし、実際最高にオモロイ笑いが生まれまし
た。それは俺にとって本当に重要な「挑戦」だったの
です。俺は新進系の映画監督なんですから!!!
現場では怖いものなんて無いです!!!!!!!

でもこんな事を言っていると後で吉本さんにぶっ殺される
ので、今の時点で謝罪をしておきます。あれ仕込んだのは
俺です。すみません!でも俺はなんだかんだ言って、
吉本さんには現場で育てられているのです。
こうやって「笑い」を経験させてもらったのも、恩を感じて
います。いつか、俺の才能で吉本の芸人さんの手助けが
できるようになれればいいなと本気で思っています。

話がライオネルの話しから、藤井さんのエピソードに脱線
してしまいましたが、ようするに俺とライオネルは一緒に
楽しんで現場にいるということです!!

黒人と日本人はギャグセンスで通じ合えることがあるのだ
と思います。俺は俺の作る映画の全てにライオネルに
出てもらえたら幸せです!!

くせっ!(笑)