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NTT西日本 コミュニケーション大賞


今から役8年くらい前。
私が働いていた職場での出来事です。

私が当時働いていたのは、民営化する前の某郵●局。パートで内勤事務として働いていました。

いろんなお電話を受ける機会もありましたし、クレームなども受けることもしばしば。
そんな電話を受けていた毎日のですが、あの出来事はこのお仕事をしていて良かったなあと思える出来事でした。


いつものように名乗って電話をとると、お相手は(その方のお話によると)お年が60代の話し口調がとても上品な女性でした。

お電話が来たのは、まだ秋の初めくらい。
お仕事でりんごのギフトを秋になると取り扱うことがありましたが、その女性はりんごをほしいのですという何気ない内容。

私は電話の女性のお話を伺いながら、りんごのギフトの申込用紙を黙々と用意してました。

すると女性は用件が終わったのに、まだお話を続けるのです。

「私はね今そちらの故郷から遠く離れた東京に住んでいるんだけれども、上京してきてもう何十年経ったかしら。

いろいろ大変なこともあったし、辛いこともあったけどもがんばってきたわー。」


私は失礼ながら内心、うわこの話長くなりそうだ…あんまり長話だと業務にも差し支えるってお小言言われるんだよな…と思ってしました。でも、お客様の気分を害しちゃまずい。これもお仕事だよね、と言い聞かせてお話を聞いてました。


「ある日に用事で郵●局にいったら小包ギフトのコーナーに、私の故郷のりんごギフトの申込用紙があったの。

私は嬉しくなりましてね、自分の故郷のりんごが遠く離れたところでしかも郵●局でみつけるなんてね。私は早速申し込みをしましたのよ。そのりんごが本当においしくてね、故郷の味だったわ。
それから毎年この時期はりんごの注文をして故郷を思い出していたんですよ。
ところがね、今年は近所の郵●局に行ってみたけれども、りんごの申込用紙が無かったんですよ。
私はどうしても故郷のりんごが食べたかったのよ、だからお電話しました。」

その方がこのりんごをそんなに心待ちしていてくれるなんてとなんだかうれしくなりました。

そして
「ごめんなさいねお仕事の最中に、おばあちゃんの長話に付き合っていただいて。私一人ぼっちでね、今話し相手がいなくてさびしかったものだから。お話聞いてくださって本当にどうもありがとう。これからもがんばってくださいね。りんご楽しみにしています。」

たった数分の電話で感謝されて、こんなに待っていてくれる方がいるなんてと、心が暖かくなりました。

そのあと女性に送る申し込み用紙の封筒に、一筆添えて送りました。

「いつも楽しみにしてくださりありがとうございます。お電話でご依頼ありましたりんごの申込用紙を同封いたします。ふるさとのりんごをぜひご堪能ください。お電話いただき誠にありがとうございました。」

あれから8年。
秋になり、りんごを見ると、今も女性はふるさとのりんごを食べているのだろうか?と思い出します。