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この日の夜のことだ。


トントン


空は陸の部屋のドアをたたいた。

「ねぇ・・・陸。入って・・・いい?」

空はドア越しに言った。

「あぁ・・・いいよ」


キィ


空は部屋に足を踏み入れた。


陸は自分のベッドを指さした。

「座れよ・・・」

「あっうん・・・」

空はベッドに腰を下ろした。

「あの・・・さ、さっき『気付いてくれよ』って言ってたじゃない?・・・それって、どういう意味・・・・・・?」

それを聞いたとたん、陸はビクッと震えた。

「そ・・・それは・・・・・・」

陸は顔を空からそむけた。

「り・・・陸・・・話したくないんだったら話さなくてもいいよ・・・・・・?」

そのとき・・・


ガタッ


「えっ・・・陸・・・・・・」


陸は空を押し倒していた。


つづく



「…な、泣いてねぇ―ょ!!」

陸はとっさに、空から顔を反らした。

しかし空はまた陸の方を向き、顔を覗いた。

「…ば、ばか!!見てんじゃね―ょ!!」


「…なんか…あったの??…陸が泣くなんて珍しいじゃん…??」




「そろそろ‥‥‥‥‥気付いてくれょ‥。」

陸は聞こえないくらいの小さい声で、つぶやいた。


「えっ??」


空は意味が分からず、ただ陸をずっと見ているしかなかった。

「ふーん・・・そうなんだキミって・・・」

凌あ少しニヤッと笑った。

「まぁ、がんばれば?・・・・・・のぞみはないと思うけどね・・・フフ」

そう言って凌は前へ足を進ませた。


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「・・・りく・・・陸!」

後ろから空の声が聞こえ、陸は振り向いた。

「あっ・・・空。もう・・・大丈夫か・・・?」

「あっうん!大丈夫ダヨ^^」

空は笑顔で陸に笑いかけた。


すると・・・

「ねぇ・・・陸・・・・・・」

「ん・・・?どうした?」


「・・・・・・泣いてた・・・・・・?」


つづく

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陸は凌に追いつき声を張り上げた。

「おいっ!!」


凌は声のほうを振り向いた。

「キミはさっきの・・・・・・どうかした?」

陸は凌のをにらめつけた。

「『どうかした?』じゃねーよ!お前・・・空のこと好きなんじゃねーのかよ!?」

凌はうつむいた。

「でも・・・でも、空さんは・・・キミの・・・でしょ・・・・・・?」

陸は少し声のトーンを下げて言った。

「オレのじゃ・・・ない・・・・・・」

「えっ・・・?どう言うこと・・・・・・?」

凌は、眉を少し寄せた。

「あいつは・・・空は・・・・・・」

少しいきづまってから言った。

「・・・・・・オレの・・・姉さん・・・だよ・・・・・・」

凌は少し怒ったような表情をした。

「何・・・?あんたはただいたずらしてただけ・・・?自分の姉さんがほかの男にとられるからって・・・・・・?」

陸はうつむいた。

凌は、陸の態度を見て少しいらだった。

「僕は・・・空さんが好きだから・・・だから勇気を出して告白したのに・・・なんで・・・なんで弟ごときに邪魔されなきゃなんないわけ??いいかげん姉ばなれしなよ・・・!」


――弟ごとき・・・?


陸はギッと凌をにらめつけた。

「オレが何で邪魔しちゃいけないんだよ!!オレだって・・・・・・」


「オレだって空が好きなんだよ・・・!!」


つづく

えっ・・・?


陸は驚いた。

そして凌に対しての怒りがこみ上げてきた。


空は


「本気にして馬鹿みたい。やっぱり、なかなかうまくいかないヨネ。へへ。。。」




陸には空が無理をして笑っているのがわかった。

だから、それが余計に辛かった。



空は自分の好きな人だ。

でも、姉でもある。

だから陸は空の恋がかなってほしかった。


陸は凌のもとへと走っていった。



空はその場にしゃがみこんだ。


ポトン


空の瞳あらは涙が溢れ出していた。


「・・・うそ・・・嘘だったの・・・・・・?ねぇ・・・凌くん・・・・・?」

満天の青空を見上げながら、嗚咽交じりの声でそうつぶやいた。


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あれから、少し時間が流れていった頃だ。

陸は学校から出て歩き始めた。


「空のヤツ・・・さっきのヤツとうまくいったのかな・・・?」

陸が、そうつぶやいたときだった。


前方には、しゃがみこんで泣いている愛しい人の背中があった。


陸はそっと近づき、自分の上着を彼女にかけた。

「えっ・・・」

彼女は・・・空は、そう言って後ろを振り返った。

「陸・・・・・・」

そこには、さっきとうって変わって、優しい顔が自分を見下ろしていた。

「おまえ・・・こんなとこでしゃがみこんでたら風邪ひいちまうぞ・・・?・・・それ着てろよ・・・」

「あっ・・・うん。ありがと・・・」

空は、少し眉間にシワを寄せながら言った。

すると・・・思いがけない言葉が耳に入ってきた。

「ゴメン・・・な・・・・・・お前、あいつのこと本気で好きだったんだろ・・・?」

「うん・・・でも『嘘だ』って・・・『嘘だ』って言われちゃった・・・」

空の瞳からはさらに涙が溢れた。


つづく



陸が空の弟だと嘆いてるころ

空は凌に追いついた。


「凌くん!!待って・・・」


「空さん、彼氏のところに行ってください。さっきのは・・・」


「さっきのは冗談ですから・・・気にしないでください!?まさか本気にしちゃいました??」


凌は自分の気持ちにウソをついた。


空は唖然として、何も言う気にならなかった。



その後、凌は後ろを向き歩きだした。


空は凌を何度も呼び止めようよしたが、さっきの言葉が胸に突き刺さり何も言うことが出来なかった。



陸は少しの沈黙の後


「…さっきの冗談に決まってんだろ!!
空が告白されてるとこ初めて見たから、ちょっとからかいたくなった☆
わりぃわりぃ。
ほら、そっきの奴のとこ行ってこいよ!!」

と、笑いながら空の背中を押した。




そして空が走っていった方を見ながら、


「俺は一生、この気持ちを隠し通さなきゃいけないのか…?

…なんで俺が…空の弟なんだよ…。」

と、嘆いた。



ふと空を見ると、今の陸の気持ちとは裏腹に、とても透き通った満天の青空だった。


寒空の下、学校の校門。

私は今、好きな人と向かい合っている。

今、告白されようとしている。

彼は私を見つめ、私は彼を見つめた。

少し強い風が私達の髪を揺らしたそのときだった・・・


「初めて会ったときから空さんが好き・・・でした。僕と・・・付き合ってくれませんか・・・・・・?」


彼は・・・凌<りょう>は、真剣な眼差しで・・・だが、少し恥ずかしそうに、空に告げた。

空は顔をうつむけ、口元に手を添えた。


「・・・私で・・・いいの・・・・・・?」


凌はニコッと笑った。


「空さんがいいんです」


空は瞳に一粒の雫がうかびあがった。


「じゃぁ・・・よろこ・・・・・・」

「空!!」


空の声はある男の声によってさえぎられ、その声の方を空が振り返っり声を上げたときだった・・・

「りっ・・・・・・」


ガバッ!


空は急にその男に・・・陸<りく>に抱きつかれた。


「陸っ!なにするのよ!!」


すると、陸は空の耳元にフーと息を吹きかけた。


「お前・・・オレという者がありながら他の男と付き合うなんてことはないだろうな~空・・・」

「陸っ・・・!何いってるのよ!!」


そのやり取りを見ていた凌は・・・


「・・・空さんって彼氏いたんだ・・・ゴメンね、それなのに告白しちゃって・・・・・・じゃぁ、僕じゃまみたいだから帰るねっ」

「えっ・・・ちょっまって凌くん!!」


そう言って、凌は走っていってしまった。


空は、陸の方を見上げて怒鳴った。

「何が『オレという者がありながら』なの!?あんたは私の・・・」


「私のでしょ!!」


つづく