新米印刷インキ・資材ディーラーのブログ

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30歳までぷらぷらしてた私を拾ってくださったのは印刷の町山吹町にある老舗インキ屋の社長(ありがたや~)
以来約4年の間に起こった事案と対処をインキ屋の視点で綴りやす。

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定食屋で一度美味しいと思ったらそればかり食べてしまう。
セットインキも一度ハマれば滅多に変える事はありません。
実際に各種メーカーのセットインキは器用に扱えばかなり幅広い局面に対処出来る様に設定されています。
それゆえ、東洋インキのTK Nexに複数のタイプが展開されている事を知らない人も以外と多いようです。

タイプ展開を知っているオペレーターさんはアンテナを敏感に張っている人と言えますし、
知らないというオペレーターさんはその器用さゆえ、なんとでも出来ちゃう人と言えそうですが。
ともかく、今日はTK Nexのそれぞれのタイプについて紹介します。

TK Nex
印刷に携わる人で東洋インキのTK Nexを知らない人はいないのではないでしょうか?
DICのフュージョンシリーズと並ぶ日本を代表するオフセットインキです。

TK Nex-P
汚れ耐性が強く水ダイヤルを絞って印刷することで最高品質の印刷物が得られます。
ここ一年でかなり売り上げが伸びている低乳化タイプ。
セット、乾燥も従来型よりやや早い気がする。
個人的には一番のオススメ。

TK Nex-T
最高ランクの耐摩擦性を備えたインキです。特に擦れやすい紙に最適です。
皮膜も強く多ロット仕事で印刷物を高く積む事が多いお客さんにはよく勧めます。

TK Nex-R
乾燥性、耐摩擦性を向上させたインキです。耐摩擦性と印刷光沢のバランスを重視したタイプです。
特に乾燥を強めたタイプ。盛りの厚い仕事や大粒のパウダーをふれない仕事で活躍します。
乾燥スピードと印刷の光沢のジレンマ(乾燥が早いほどマット感が出てゆっくり乾かすほど光沢が出る)
のちょうど間を突いた憎いやつです。

TK Nex-S
水幅上限を強化し、絵柄が少なく湿し水が過剰になる状況下でもローラー剥げや濃度変動、インキ余りなどのトラブルを抑制し、ロングランでの安定した印刷が可能です。
Nex-Pと対を成す高乳化タイプ。
回しっぱなしのタフな仕事でも受け入れてくれる器のデカさがウリ。

多種多様な印刷の仕事に応えるべく緻密なタイプ展開で東洋インキも日進月歩で進化しています。
タイプによって値段に違いは無いのでNexとは別に意中のタイプも抑えに持っておくのも一興かと存じます。

ちなみに、どのタイプも歴然とした差では無く、微妙に寄せてあるといった感触なのでこれ一個で各種トラブルが完全解消というわけには行かなそう。
過去、色んなタイプを実験してもらった馴染みの印刷屋では
「違いが分からねえ」
と言われた事もあります。
全く鈍感な野やr、、、げふんげふん。
弘法筆を選ばずですな!!