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新米印刷インキ・資材ディーラーのブログ

30歳までぷらぷらしてた私を拾ってくださったのは印刷の町山吹町にある老舗インキ屋の社長(ありがたや~)
以来約4年の間に起こった事案と対処をインキ屋の視点で綴りやす。

ボクシングのハードパンチャーはその破壊力故に自らの拳を傷付ける事もしばしば、
まあ、やった事無いんで知りませんが。

昨年DICから発売された恐ろしいセットインキ。
フュージョンG SPD
を紹介します。

photo:01



DICの営業さんから聞いたキャッチコピーは「UV印刷並の超速乾力」
このコピーを聞いた時、正直ゾっとしました。
事故の匂いがぷんぷんしたからです。
刷ったその場で乾く速乾力は必ずインキ壺でも乾いて何らかの弊害をもたらすに違いないと直感しました。

朝受けた印刷を昼にはぬき屋さんに持って行けるというメリットは工場のオペレーターさんよりも営業さんが食い付きそうなネタ、故にこのインキを売る時はオペレーターさんにはもちろん、むしろ印刷屋の営業さんにくどくど説明し事故誘発危険度のデメリットを理解してもらう様に心がけます。
デザイナー立会い仕事なんかでこのインキを使うとおそらく大変な事になるだろうし。

しかし予期せぬ事が起こるのが仕事の常であり、醍醐味でもあるので、とにかく大急ぎでやらなきゃならない案件があった時、UV機を所有していない会社はその案件をみすみす逃してしまう事も考えられる。

普段使いには全く勧めませんが、もしもの時の切り札としては破壊力抜群の奥義と言えるでしょう。
鶴仙流の気光砲のようなものです。
(この例えは蛇足かしら?)

発売から一年になりますが、今の所事故の案件は聞いていません。
DICさんの事なのでもしかしたらなるべく壺では乾かないような工夫も凝らしてあるのかも知れませんね。