空間をよぎる直截な仮構と身体が形づくる合板の面材が絡み合うことで生まれる間合いをイメージして生まれた椅子です。この小椅子には西洋が生みだした小椅子という巨大な存在に日本の美意識が乗り移ろうとする白日夢のようなイメージがあります。本当は合板の座と背をポリカーボネートなどの素材を用いて身体の尻と背の皮膚を剥いだような有機的な形をつくり直截な仮構に引っかかっているイメージを持っていたのですが、それはその次の発展形とすることにしました。投資額と生産量のバランスが見えないからです。日本人である僕が日本の美意識へのメッセージとして小椅子をデザインするとは僕の中の西洋の文化と僕自身の深層にある日本の美意識との葛藤を描くことだと考えました。その歴史に椅子を持たない日本人にはこのテーマは終わりのない苦悩に満ちた創造の道のりそのものだと感じています。

黒川雅之




サイズ W600 D755 H642 SH370 mm
材質 ナラ(ナチュラルホワイト)
ファブリック
メーカー nextmaruni ・日本製
デザイナー 黒川 雅之