映画『母と暮せば』(2015年)は、山田洋次監督が手掛けた作品で、長崎を舞台に、原爆で亡くなった息子と母親の交流を描いた感動的なドラマです。


あらすじ


1948年8月9日、長崎で助産婦をしている福原伸子(吉永小百合)の前に、3年前の原爆で亡くなったはずの息子・浩二(二宮和也)が突然現れます。


浩二は「母さんは諦めが悪いからなかなか出てこられなかったんだよ」と語り、それ以来、時折伸子の前に姿を見せるようになります。


二人は浩二の恋人だった町子(黒木華)のことなど、多くの話題を共有し、奇妙でありながらも幸せな時間を過ごします。 


キャスト

福原伸子:吉永小百合

福原浩二:二宮和也

佐多町子:黒木華

黒田正圀:浅野忠信

上海のおじさん:加藤健一

富江:広岡由里子

風見民子:本田望結

復員局の職員:小林稔侍

年配の男:辻萬長

川上教授:橋爪功


みどころ


本作は、母と息子の深い絆を描きながら、戦争の悲惨さと人間の温かさを対比的に表現しています。


特に、原爆投下のシーンは山田監督が細部にまでこだわり、リアリティを追求しています。


また、吉永小百合と二宮和也の親子役での共演は、世代を超えた演技の融合として高く評価されています。 


評価と影響


本作は第39回日本アカデミー賞で最優秀主演男優賞(二宮和也)と最優秀助演女優賞(黒木華)を受賞するなど、高い評価を受けました。


また、戦争の悲惨さと家族の絆を描いた作品として、多くの観客に感動を与え、戦争の記憶を風化させないための重要な作品とされています。 


聖地情報


映画の主要な舞台は長崎市内で、特に浦上地区が重要なロケ地となっています。


長崎原爆資料館や浦上天主堂など、実際の被爆地が登場し、作品のリアリティを高めています。


これらの場所は、映画の公開後に多くのファンが訪れる「聖地」として知られています。 


作中アイテム


劇中では、浩二が愛用していたオノトの万年筆や、父の形見であるエルジンの腕時計が登場し、彼の人柄や家族の歴史を象徴するアイテムとして描かれています。


また、メンデルスゾーンの「ヴァイオリン協奏曲 ホ短調作品64」のレコードも重要な小道具として使用され、物語の情感を深めています。