先日、ある介護従事者の方から

決して肯定するわけではないけれど、
「ドラッグロック」することも
致し方ない場合もある

といったメッセージをいただいた。

 

この方を否定するつもりは毛頭ないが、
 

「ドラッグロック」

という言葉に強い、ショックを受けた。

認知症患者の尊厳そのものを
否定するかのような表現だと思った。

現に欧米諸国では、
もう、このようなことは
禁止されている。


 

昨日、長年の私のクライアントさんでもあり、
公私ともに交流のある
厚生労働事業団に20年以上勤務している
介護従事者と話をした。
 

彼女は、自分自身の仕事を

本当に天職だと考えている。

確かにこれまでにも
大変は場面にも
遭遇してきたが、

毎朝、問題のある入居者さんに対しての
アプローチ法をみんなで意見をだしあっている
という。

そうすると、何かしら
必ず突破口が見つかるという。

そして、それがうまくいったときに
この仕事をやっていて、本当によかった
と思うとよく言っていた。

兄がグループホームで
薬漬けにされたときに
前々から相談していた
全国に設置されている
健康長寿医療センターの
若年性アルツハイマー担当者に
処方箋等をみてもらったところ
これは、さすがに
厚生労働省のガイドラインに触れるレベル、
行政処分の対象にもなりうる
そういわれた。

 

そんなことも話しながら、
彼女にも相談してみると、

うちでは、基本的には
減薬する方向で対処している
と言っていた。
医者が強い薬を出した場合は
施設側で服薬させない場合もあるし、
医者の判断で減薬する場合もある
という。

昨日は
その彼女に
「ドラックロック」という言葉を知っているか
聞いてみたところ、
聞いたことがないという。

要は、その施設の長の考えに
よって施設のやり方に大きく隔たりがある

と、改めて思い知らされた。

今朝、テレビをつけていたら、
認知症についての番組をやっていた。

テレビでは患者本人たちが
インタビューに答えていた。

40代で発症した人、
50代後半で発症した人、
など、兄と同じような人たちだったが、
10年たった今でも
一見、普通に生活をしている。

 

それをみて、
辛くなって、チャンネルを変えてしまった。

兄はグループホームに
入所して、たった3か月で
激変してしまった。

診断が下ってから
まだ1年過ぎたぐらいの時だった。

「ドラッグロック」という
概念、そのものがなくなってほしいと
心から思う。