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☆続きものです、1限目はこちら
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授業中にからかわれて、不毛な想いに気付いてしまってから4日が経った。
あの日から2回目の授業となる今日は、前回に比べればずっと自然な態度が取れていると思う。
前回、直視出来なさすぎて慶喜先生が黒板に向かった時にだけ、まるで盗み見るように目線を上げていた不審者は私だ。
だけど今日は、少なくとも表面的には以前のように振る舞えていると思う。
教室の真ん中に近い私の席だと先生が振り向いた時に真っ先に目があってしまうので、その時に何度か肩が跳ねてしまったけれど……大体、大丈夫なはずだ。
(でもなんか…すごく疲れる…)
はぁ、と思わず項垂(うなだ)れると、右肩越しに後ろから折り畳まれたノートの切れ端が投げ込まれて、カサッと音がした。
「…!」
紙を広げると『意識しすぎや』と書かれた文字の下、
『◯◯はんも………慶喜先生も♡♡』と言う文字を見て頭がボッと沸騰する。
ガタタッ
机の裏側で膝を打った。
(慶喜先生も……って何よ…?!)
震える手で持ったノートの切れ端、そこにある花里ちゃんの字を動揺しながら何度も目で追った。花里ちゃんのただの悪ふざけだと思うのに、その文字列に心臓がバクバクと暴れるのを止められない。
その時、後ろからペシッという音がしたかと思うと、自分の頭上でもう一度同じ音が鳴った。
「いたっ」
頭に手を当てて見上げると、すぐ横に慶喜先生が立っていた。
ぎょっとして慌ててグシャリとメモを握りつぶす。
私達を叩(はた)くために使った教科書の向きを縦に戻して、音読している生徒が詰まった単語を一つ、口にした。
音読が再開されると、慶喜先生は片眉をあげて横目でこちらを見下ろした。解りやすく私達を咎める表情を作って、音を出さずに唇だけで「こら」と言った。
後ろから花里ちゃんの「ごめんなさーい」という小さな声がして、私も見とれてる場合じゃないとはっと我に返る。
「…ごめんなさい 先生」
小声で謝ると少しの間無反応に見下ろされて、私は何を言われるのだろうと肩を縮こませた。だけど……
「ーいいね、ありがとう。じゃあ次は教科書の…」
聞こえていた生徒の音読が止むと、慶喜先生はそのまま前を向いて教壇の方へ歩き出し、授業を再開させた。
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終業のチャイムが鳴って、慶喜先生が授業を終える。
教壇の上を簡単に片付けている先生を、ノートで鼻から下を隠すような格好で見ていた。
(先生の授業中にふざけちゃって、先生に嫌われちゃったかな…。前回もまともに先生の方を向いてなかったし……)
今さらながら、してしまったことへの後悔の気持ちが膨らんでくる。
それに、もしあのメモの『慶喜先生』という文字や内容を見られていたら…と思うと気が気じゃ無かった。
ノートの内側にため息がこもった。
眉を下げてしまいながらもうすぐ教室を出て行ってしまう慶喜先生を見ていた。
(ごめんなさい、先生)
下を向いているその姿に心の中でもう一度謝るとほぼ同時に、慶喜先生がこちらに顔を向けた。
無意識にノートを掴む指に力が入る。
休み時間に騒ぐ男子達に遮られながら、慶喜先生もこっちを見ていた。ほんの数秒だったと思う。もしかしたら3秒くらいだったのかも知れないけれど、なんだか耐えられなくて視線を外そうとした時、慶喜先生がふっと表情を柔らげた。
ドキッと一度、大きく心臓が動いて胸が痛む。
慶喜先生は右手を顔の高さまで上げて、人差し指だけでちょいちょいと手招きをした。
(う…わ……)
動けずにいると、後ろから椅子の下をコツンと蹴られた。
「お呼びやでっ。早う行って来ぃ♡」
「は、花里ちゃんもだよっ」
「うちは目ぇ合ってないもん」
「嘘つきっ」
ひそひそと声を潜めて叫び合ってると、教壇の上で慶喜先生が教科書を揃えるように立ててトンッと音を鳴らすので、思わずビクッと立ち上がった。
「ーもぅお願いだから…!」
必死な私に折れてくれた花里ちゃんが「仕方あれへんなぁ」と椅子を引いた。
慶喜先生に見られながら歩いていると、何も無いところでも躓きそう。
なんとか歩き切って恐る恐る教壇の横に立った。
「ー先生、さっきはごめんなさい…」
「…そんなに面白く無い?俺の授業」
先生の言葉が耳に届いた瞬間、しゅんと下を向けていた顔を弾かれたように上げた。
「ち、違います!慶喜先生の授業が一番面白いです!解りやすいし楽しいし、私達と同じ視点から考えてくれたり…私、慶喜先生の授業が一番す………。」
「……一番、す……何?」
(聞き返さないでスルーしてよ)
『一番好き』
この間までなら素直に言えたかも知れない言葉は、今はもう言えなくなっていた。もちろんここに関しては不純な気持ちなんかじゃなくて、ただただ慶喜先生の授業内容が好きなんだ、それは一年の頃からずっと。
だけど「一番好き」という言葉を慶喜先生に向かって言うことがどうしても恥ずかしくて、私はこの先を誤魔化すためにうんうんと頷いた。
「うんうんじゃない」
慶喜先生の指におでこをツンと突かれて、頭が後ろに傾いた。
「先生達だって、お前達に理解して欲しくてやってるんだ。他の先生達の授業に出るときも、もうあんな風に遊んでいたらいけないよ?」
慶喜先生の言葉は最もだった。
だけど、こうなった原因は慶喜先生の唇事件なのに……そう思うと少しだけ恨めしくてチラッとその顔を見上げた。
「……なにか?」
「いいえ、ごめんなさい」
「もうしまへん」
「私も…もうしません」
「ん…それなら、よし!」
慶喜先生が嬉しそうに表情を崩して笑った。間近でそんな笑顔を見せられて、どぎまぎしながらもずっと目を逸らせなかった。
(2限目 おしまい)
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なかなか萌え展開にならなくてごめんね、次の3限目でやっと特別扱い(?)が待っていますからね(ノ∀゚*)
次か、その次で終わる予定です☆
→3限目に続く♡
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授業中にからかわれて、不毛な想いに気付いてしまってから4日が経った。
あの日から2回目の授業となる今日は、前回に比べればずっと自然な態度が取れていると思う。
前回、直視出来なさすぎて慶喜先生が黒板に向かった時にだけ、まるで盗み見るように目線を上げていた不審者は私だ。
だけど今日は、少なくとも表面的には以前のように振る舞えていると思う。
教室の真ん中に近い私の席だと先生が振り向いた時に真っ先に目があってしまうので、その時に何度か肩が跳ねてしまったけれど……大体、大丈夫なはずだ。
(でもなんか…すごく疲れる…)
はぁ、と思わず項垂(うなだ)れると、右肩越しに後ろから折り畳まれたノートの切れ端が投げ込まれて、カサッと音がした。
「…!」
紙を広げると『意識しすぎや』と書かれた文字の下、
『◯◯はんも………慶喜先生も♡♡』と言う文字を見て頭がボッと沸騰する。
ガタタッ
机の裏側で膝を打った。
(慶喜先生も……って何よ…?!)
震える手で持ったノートの切れ端、そこにある花里ちゃんの字を動揺しながら何度も目で追った。花里ちゃんのただの悪ふざけだと思うのに、その文字列に心臓がバクバクと暴れるのを止められない。
その時、後ろからペシッという音がしたかと思うと、自分の頭上でもう一度同じ音が鳴った。
「いたっ」
頭に手を当てて見上げると、すぐ横に慶喜先生が立っていた。
ぎょっとして慌ててグシャリとメモを握りつぶす。
私達を叩(はた)くために使った教科書の向きを縦に戻して、音読している生徒が詰まった単語を一つ、口にした。
音読が再開されると、慶喜先生は片眉をあげて横目でこちらを見下ろした。解りやすく私達を咎める表情を作って、音を出さずに唇だけで「こら」と言った。
後ろから花里ちゃんの「ごめんなさーい」という小さな声がして、私も見とれてる場合じゃないとはっと我に返る。
「…ごめんなさい 先生」
小声で謝ると少しの間無反応に見下ろされて、私は何を言われるのだろうと肩を縮こませた。だけど……
「ーいいね、ありがとう。じゃあ次は教科書の…」
聞こえていた生徒の音読が止むと、慶喜先生はそのまま前を向いて教壇の方へ歩き出し、授業を再開させた。
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終業のチャイムが鳴って、慶喜先生が授業を終える。
教壇の上を簡単に片付けている先生を、ノートで鼻から下を隠すような格好で見ていた。
(先生の授業中にふざけちゃって、先生に嫌われちゃったかな…。前回もまともに先生の方を向いてなかったし……)
今さらながら、してしまったことへの後悔の気持ちが膨らんでくる。
それに、もしあのメモの『慶喜先生』という文字や内容を見られていたら…と思うと気が気じゃ無かった。
ノートの内側にため息がこもった。
眉を下げてしまいながらもうすぐ教室を出て行ってしまう慶喜先生を見ていた。
(ごめんなさい、先生)
下を向いているその姿に心の中でもう一度謝るとほぼ同時に、慶喜先生がこちらに顔を向けた。
無意識にノートを掴む指に力が入る。
休み時間に騒ぐ男子達に遮られながら、慶喜先生もこっちを見ていた。ほんの数秒だったと思う。もしかしたら3秒くらいだったのかも知れないけれど、なんだか耐えられなくて視線を外そうとした時、慶喜先生がふっと表情を柔らげた。
ドキッと一度、大きく心臓が動いて胸が痛む。
慶喜先生は右手を顔の高さまで上げて、人差し指だけでちょいちょいと手招きをした。
(う…わ……)
動けずにいると、後ろから椅子の下をコツンと蹴られた。
「お呼びやでっ。早う行って来ぃ♡」
「は、花里ちゃんもだよっ」
「うちは目ぇ合ってないもん」
「嘘つきっ」
ひそひそと声を潜めて叫び合ってると、教壇の上で慶喜先生が教科書を揃えるように立ててトンッと音を鳴らすので、思わずビクッと立ち上がった。
「ーもぅお願いだから…!」
必死な私に折れてくれた花里ちゃんが「仕方あれへんなぁ」と椅子を引いた。
慶喜先生に見られながら歩いていると、何も無いところでも躓きそう。
なんとか歩き切って恐る恐る教壇の横に立った。
「ー先生、さっきはごめんなさい…」
「…そんなに面白く無い?俺の授業」
先生の言葉が耳に届いた瞬間、しゅんと下を向けていた顔を弾かれたように上げた。
「ち、違います!慶喜先生の授業が一番面白いです!解りやすいし楽しいし、私達と同じ視点から考えてくれたり…私、慶喜先生の授業が一番す………。」
「……一番、す……何?」
(聞き返さないでスルーしてよ)
『一番好き』
この間までなら素直に言えたかも知れない言葉は、今はもう言えなくなっていた。もちろんここに関しては不純な気持ちなんかじゃなくて、ただただ慶喜先生の授業内容が好きなんだ、それは一年の頃からずっと。
だけど「一番好き」という言葉を慶喜先生に向かって言うことがどうしても恥ずかしくて、私はこの先を誤魔化すためにうんうんと頷いた。
「うんうんじゃない」
慶喜先生の指におでこをツンと突かれて、頭が後ろに傾いた。
「先生達だって、お前達に理解して欲しくてやってるんだ。他の先生達の授業に出るときも、もうあんな風に遊んでいたらいけないよ?」
慶喜先生の言葉は最もだった。
だけど、こうなった原因は慶喜先生の唇事件なのに……そう思うと少しだけ恨めしくてチラッとその顔を見上げた。
「……なにか?」
「いいえ、ごめんなさい」
「もうしまへん」
「私も…もうしません」
「ん…それなら、よし!」
慶喜先生が嬉しそうに表情を崩して笑った。間近でそんな笑顔を見せられて、どぎまぎしながらもずっと目を逸らせなかった。
(2限目 おしまい)
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なかなか萌え展開にならなくてごめんね、次の3限目でやっと特別扱い(?)が待っていますからね(ノ∀゚*)
次か、その次で終わる予定です☆
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