今再演中のヨイヨイイベントは良くないらしいですね、
潔くスルーしております(´ェ`*)


でも、酔っている旦那さま想像すると楽しいよね♡そして、逆もおいしい♡

ということで「酔い」をテーマにバカっぽい(ん?)お話を書いてみました








---------------------





襖を開けて、慶喜さんの姿を認めた私は首を傾げる。



『わての部屋に慶喜はんが来てはるから、顔見せといで』

お座敷を終えて戻った夜更け、玄関で番頭さんと仕事の話をしていたらしい秋斉さんから、そう声を掛けてもらった。

私は嬉しい気持ちを抑えきれずに、口許がどうしても綻んでくるのをがんばって結びながら、はいと頭を下げた。


そのまま直接、秋斉さんの部屋へ向かったが、廊下に膝をつき声をかける寸前でまた立ち上がった。
ちらりと玄関に目をやると二人は話をしていてこちらを見てはいない。私はそのままそそくさと自室へ戻り、鏡へ向かった。

慶喜さんに会える時は、少しでも綺麗な姿で会いたい。可愛いよって優しく微笑んでくれたらそれだけで、とても幸せな気持ちになれるから。




「……慶喜さん…?…失礼します」

秋斉さんの部屋へ入り、襖を閉めた。


(  近づいても、いいのかな?  )


胡座(あぐら)をかいた足首に手を置いて、項垂(うなだ)れるような格好の慶喜さんを前にしばらく反応を窺うけれど、彼はその格好のまま動かない。


私は迷いつつも、そっと慶喜さんの近くに腰を下ろして少しだけ覗き込むような姿勢でもう一度小さく声をかけた。


「…慶喜さん」


「◯◯…?」


慶喜さんは私の名前を口にしながら気だるそうに顔を持ち上げた。髪の間からどこか虚ろで甘えたような瞳が現れて、どきっとしてしまう。

そのまま見つめられると金縛りにあったように身体が硬直した。


「……あ…あの。…ひゃっ!」

慶喜さんは起きているのもつらそうな様子で、しなだれるようにこちらへもたれ掛かって来たので、驚いたのとその重みとでそのまま後ろに倒れそうになって、慌てて後ろ手で畳に手をついた。



「……。大丈夫、ですか…?」


慶喜さんに抱きつかれているような。
後ろ手で支えている震える手を諦めてしまえば押し倒されてしまうような、そんな体勢だった。

内心をひどく取り乱しながらも、それどころじゃないと自分を叱咤する。


でも、なんだか体調が悪いというよりも……

慶喜さんの前に置かれてあるお膳を見ると、お猪口の横で徳利がころんと二本転がっていた。


「ー慶喜さん、大丈夫ですか?私お水を」

「…だめ」

こどもみたいにそれだけ言うと、身体に腕を回してぎゅっとしがみつかれる。
そんな場合じゃないのに心臓がドキドキとうるさい。


「……す、すぐに戻りますから。お水、飲んだ方がいいですよ…ね?」


こどもみたいな慶喜さんを、こどもにするみたいに諭すけれど、今度は何も言わずに首を左右に振られた。
慶喜さんの柔らかい髪の毛が、私の首筋をくすぐってぞくぞくと背筋が震えた。


「……慶喜さん。お願いです」

彼の腕の中からもぞもぞと手を動かして、珍しく猫背に丸められた背中へと伸ばした。

そのまま少し迷って、恐る恐るその背中を撫で始めた。




--------------




すっと襖の開く気配にはっとする。


「……」
「……」


襖の外にいたのはこの部屋の主で、秋斉さんの目に映ったこの状態を想像すると、申し訳なくて恥ずかしくて一気に顔に熱が集まった。


「あ、あの、酔われているみたいだったので……あの、これは……!」

「…嘘つきは罰せられますのやで」

「っ!嘘じゃありませ…」

「ーその男や」



言葉の意味が理解出来ずにパチパチと瞬いた。

秋斉さんはため息をつきながら、手に持っていた鉄瓶を揺らす。


「まだ一滴も飲んどらへん」


「…え?…だって…」


「秋斉…」


私の肩に突っ伏していた頭がもそりと起き出す。

「お前は、もうちょっと空気を読んでくれないと…」


秋斉さんに向かって苦笑する慶喜さんを、口を半開きにさせた間抜けな顔で見ていた。

「へぇ。誰かさんが悪さしようとしとる空気を読んで、急いで入って来たつもりどしたけど?」

「心外だな、悪さなんて…」


ずっと秋斉さんに向いていた瞳がやっと私を見た。先ほど酔っていると思い込んでくっついていた恥ずかしさも手伝い、つい目を逸らしてしまった。


「◯◯」

「…心配、したんですから」


照れているのを誤魔化すために、むっと口を尖らせる。


「ごめんね、◯◯。お前の声がしたからちょっとからかってやろうと思って、始めたんだけど…」

弱ったような表情に、

「俺を心配しているお前の顔が、あんまり可愛かったものだから止められなくて…」

綻ぶような笑顔を乗せられてしまうと、もう何も言えなかった。


「もう…」

形だけ怒って見せながら、結局つられて一緒に微笑んでしまう私に、秋斉さんだって「甘やかしたあかん」なんて言いながらも優しい顔をしている。




「ほら、◯◯も帰って来たし、秋斉も終わったんだろう。早く始めようよ」


能天気に鉄瓶に手を伸ばす慶喜さんに、 二人の笑みを含んだ咎める声が同時に飛んだ。

「この状況であんさんが言いな」
「慶喜さんが言わないでください」




---------------------




なんてね♡

秋斉さんも◯◯ちゃんも、
みーんな慶喜さんが大好きなのね(*´艸`)♡




ー私か(ノ∀゚*)♡




※秋斉さんの 「…嘘つきは罰せられますのやで」は、逢いに恋ひで秋斉さんが言った言葉を使わせてもらってます♡