秋葉原哀歌/ビレッジセンター
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(´・ω・)「秋葉原悲歌」読み終えました。元・秋葉原大型家電店幹部の筆者による秋葉原店員の悲哀、秋葉原のお店の裏事情を中心に、店員から見た秋葉原での「戦い」を描いています。文章の書き方や雰囲気が、秋葉原=ヲタクから連想されるようなひ弱さは全然無く、めちゃくちゃ血気盛んでそれでいて冷静。一筋縄でいかない客の溢れる家電販売最前線で長年切った張ったをしてきた矜持を感じさせます。


(´・ω・)著作は95年初版と言うことで、ウィンドウズ95が発売される前の時代を感じさせる面もあって、今では昔話になったマハーポーシャの話も出てきます。マハーポーシャとは以前、秋葉原にあったオウム真理教によるパソコン店のことです。他にも移転してそろそろ20年経つ、秋葉原駅前にあった神田青果市場の大盛り食堂のことも出てきて、当時の店員さんが読めば、ますます哀愁を感じられる本だと思います。秋葉原をインサイドから見てきた人には懐かしい本であり、自分のようなアウトサイドから見てきた人間には普段外側からしか見えない店や店員の内面を覗けて苦笑しつつも惹きつけられます。


(´・ω・)秋葉原という地域は神田明神のすぐ近くにあり神田祭で神輿も担ぐ、所謂神田っ子とも言えるもので、店員には根強くそのべらんめぇ精神が残っているのかも知れませんね。なんてったって、戦後の電子部品闇市から生き残ってここまで大きくしてきた電気街ですから、店も店員もほんと、一筋縄でいかない(笑)



(´・ω・)この本が出てから12年。秋葉原電気街が、まさかメイドさんの溢れる街になるとは、この当時誰が予想できたか。事実は小説よりも奇なり、です。