ほどなく、お別れです それぞれの灯火

 

  以前に読んでいた本の続編です。

 

 

 

 

今回もとても良い、泣ける一冊でしたえーん

 

「死が絶対的な別れであることに変わりはない。それを受け入れて前を

向ける人と、嘆き続ける人とは、いったい何が違うのかと、俺も考えたことがある。」

 

中略

 

「ただ受け入れることができる人は、別れた人を心の中で生かし続けているのだと思う。先ほどの喪主のように、当然のように”その先の世界”があると信じられる人もいる。結局はその人の心の問題だ。」

 

「ひとつ言えるとすれば、悔いを残さない生き方をすることだ。簡単なことだぞ。

相手を怒らせたらすぐに謝る。隠し事をしない。やり残すことがないように、今できることは今のうちにやっておく」

 

伝えられなかったことがあるから、未練が残る。

 

 

 

私は第三話 海鳥の棲家が泣けました。

そして第四話のそれぞれの灯火はなるほど・・・と思いました。

 

(自殺か事故かわからずに

突然亡くなった娘さんの親御さんに)

「つらいお話をお聞かせくださって、ありがとうございます。おふたりの思いを込めたお式で、お嬢さんを送って差し上げましょう。

ひとつだけ確かなことは、今、お嬢さんは、あらゆる悩みや苦しみから解放されたということです。」

 

電車の人身事故というと、飛び込み自殺を考えてしまいますが、

今回のお話のように本当に事故ってこともあるんだよなと考えさせられました。

 

疲れ切っているから正常な判断ができずに、というより

体が重すぎて止まれずに・・・というか、ホームドアがあれば防げたかもしれない事故は

悲しい結末を作ってしまうこともあるんだろうなと感じました。

 

けれども残された方は辛く悲しいけれど、「あらゆる悩み・苦しみから解放された」という言葉にはジーンときてしまいました。

 

 

作者のかたは葬儀会社でのアルバイト経験があるようで、このような物語を作られたそうです。

とても具体的でありありと葬儀会場のことなどが書かれているので、臨場感もあり、物語に引き込まれて思わず涙があふれます。

 

生きていることは当たり前ではない、奇跡なんだと改めて気づかせられる一冊です。

 

 

 

 

 

 

 

☆オススメ本☆