子供のころに「王子と乞食」という絵本を読んだ




王子さまと
貧しい男の子が入れ替わるのだ

双子のようにそっくりな二人は互いに服を取り替えた

王子さまはみすぼらしい服を着て町へ

貧しい男の子は王子さまの服を着て
城へ残る



町へ出た王子さまは
お城には無いいろんなことがおもしろくて楽しくて、知り町の民がどんな暮らしをしているのか、貧しさとは何かを知る


一方、城へ残った貧しい少年は何でもあるが宮殿の自由の無いとても窮屈な暮らしを知ることになる



王子は
そろそろ城へ帰ろうと思うのだが
門番たちは汚い服を着たその少年を王子さまだとは思わずに追い返されてしまう。。


貧しい少年は
あんなに憧れていた
宮殿の生活はそれほど素敵ではなく
自分の元いた世界は貧しいがそれでも庶民たちは自由だった


隣の芝生は青くみえる


そんな皮肉と風刺がきいた
物語だった




王子の服、が印籠のようなもの

人は外見で判断するのだ



水戸黄門も
もし、助さん格さん(お付きの者)がいなかったら?


印籠もなく
じーさんのままで町中にいて
『このジジイ!』とか言われて
悪者に絡まれていたら?


誰が水戸光圀公だと証明してくれるのだろう?


そもそも水戸光圀公を知らない
山賊や強盗がいたらどうするんだろ?


そんなことを考えながら

もうとうの昔に亡くなった私のおばあちゃんが大好きだったテレビ『水戸黄門』を一緒に見ていたのを

思い出した




みんな
印籠が欲しいのだ

これさえあれば許される

これさえあれば誰もが一目おいてくれる

そんな素敵な葵の印籠






じゃあ
それがなかったら?

それに頼ってる人生だとしたら
手に入れようと必死になるし

それさえあれば幸せになれると
頑張る


そして
それがなくなったとたんに
怖くなる

なくなりそうで
怖くなる

なくなったらどうしようかと
怖くなる


なにかに怯え

なにかになるために頑張り

あの人みたいになったら
素敵なはずで

自分はまだまだだと焦り。。。


そうやって誰かになるために
あっという間に肉体のある人生の時間を費やしていく


ふと気がつくだけでいいのだ

ふと気がつけばいい



印籠はいらなかったよね




私たちは水戸光圀公ではないからだ

印籠はそれが必要な人が持てばよいのだ

将軍には
その印籠に相応しい人生の役目があるからだ




私たちは
なにも持たなくていい

なにも持たないから
望むことのすべてを経験できる


あなたから見て
キラキラと輝いてみえるあの人も
あなたとなにも変わりはしない

あなたを置いてどんどん次のステージへ行ってしまうあの人も
違う世界の人になったわけではない


素晴らしいステージにいるのは
あなたも変わりはしないのだ

あなたがあなたを肯定した時
そこはもう同じステージだ



もう
印籠、要らない



私たちは

このままで

完璧に

宇宙から守られて

いるのです







だいじょうぶ

だいじょうぶ