「自分を素晴らしいことにする」のになんのリスクもないだろ？

月の光

日付が変わる瞬間

私たちは海にいた

全裸で

月の光に照らされていた

ぷかりと仰向けに浮かびながら

満月を見上げていた

こんな至極贅沢な時は

私の人生でもう一度あるのだろうか

どんなに超豪華なホテルに泊まっても

それはないんだろうな、と泣きたいほど

嬉しかった

なんて素晴らしいんだ

私という存在は！

しかし

考えてみたら

「自分を素晴らしいことにする」

という作業に
そこには何の損も生じないよね

なんのリスクもないよね

あるとしたら

そんなことを信じられない自分がいる、ということだ

そういう時（自分を信じられない時）
人はものすごく抵抗する

いやいやいやいや、とてもじゃないけどそんなふうに思えません！
できたら苦労しませんっ！
って勢いよく首振られちゃう

そりゃカンタンじゃないかもしれないけどね

(いや、カンタンなんだけどね)

ひっくり返すだけなんだけどね

それがなかなかできないんだよね

それに
うっかり「私は素晴らしい」などと思って調子に乗って後からどーんと地面に叩きつけられたらたまんないものね

わざわざ上にいかなければ落ちてケガをすることもない

だったらずっと

私はダメな人間なんです、たいしたことないんです、ということにして
たまに褒められたり、良いことがあった時だけ喜んでいれば安心だね
(もっとも上がるも下がるもないのだが便宜上その言葉を使うよ)

私たちはエネルギーを無駄に使いすぎてしまい

毎日を生きるのにすっかり疲れてしまっている

アタマをいつもフル回転させ

あらぬ噂がたってやしないか

自分の評価や

世間から嫌われないようにと
気配りをしている

時々過去に起こったことを
ふと思い出しては
猛然と悔しがる

今が幸せかと思いきや
未来を思うと、とたんに心配になる

Facebookやブログの返信が自分だけなかったりするともう心配でたまらない

LINEの既読がついているのに
返信がないなんて・・

嫌われたのか？

何か失礼なことを言ってしまったのか？と

その日一日ザワザワとし、悶々とする

何をしていても仕事が手につかず
ただ単に相手が返信を忘れただけなのにそれだけのエネルギーをそこに使い込む

もったいないよね

目の前には
美味しいケーキがあったとしても
全然美味しくない

楽しい映画をやっていてもアタマに入ってこない

もうその不安なことだけ考えてしまい
今ここに在るすべてのものから
あなたはいなくなる

だから

今この瞬間を楽しむ大切さを語っているのだ