大事な人がいる

大事な大事なはずなのに
その人を傷つけてしまう

大事だからこそ傷つけてしまう 

傷つけたいなどこれっぽっちも思ってないのに



結局 

お互いに辛い思いをしてしまう

特に家族はそう
特に親子はそう



伝わらない
伝わらない
伝わって欲しいのに

伝え方が悪い私を責める

自分が安心したくて
自分が不安なので
相手を大事にできない自分を責める





彼女の息子は難病だった
それでも無事助かって中学生になった

反抗期

あんなに可愛いかった息子が豹変する

「てめー、うぜーんだよ!」

万引き、恐喝、喧嘩、学校にはいかず、そういう友達と遊びはじめる

学校からの呼び出し
警察からの呼び出し

母親である彼女は
心を痛める

なんとか、なんとか
まともになって



いったい今何時だと思ってるの!

どこにいってたの!

なにをやってるの!

朝方帰ってきた息子を問い詰める



ご主人に相談する


あなたからもなにか言ってやってよ!

ご主人はほっとけ、という

そういう時期なんだから
しかたないんだ

おまえがキャンキャンうるさく言うからあいつも意固地になるんだ




だって

しかたないじゃないでしょ?

自分の子が警察に捕まったのよ?

それでも放っておけと?



父親があてにならないので
彼女は
実の兄に相談した


男の子には男が必要だと思った

女の私には男の子の反抗期などわからない

しかも反抗期などと生易しいものではもはやない


実の兄はこういった


「おまえな、小さい時からあいつが病弱だからって甘やかしただろ?

そのツケがまわってきたんだよ

だから俺は甘やかすなって言ったんだ」


彼女に両親はもういない



実の兄にまさしく正論をたたきつけられ

彼女の味方は誰も
いなくなった


ご主人から
兄から

お前が悪い
お前の育て方が悪いと言われ

彼女は行き場をうしなった


息子は小さい時から入院生活

バスに乗り継ぎ電車に乗り継ぎ病院に通いその後も通院を続け

健康に気を使い
食事に気を使い

大事に大事に育ててきたはずなのに

どこで歯車が狂ってしまったのか
わからない

ほんとにある日突然豹変したのだ

何か憑依しているのか

あんなに可愛いかった息子は自分の背を追い越した



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以上は


今、私のところに以前相談に来てくださった方のお話です

(了解を得て書いています)




ある日私は彼女にひとつの提案をした

「羽交い締めにして抱きしめてみて」




彼女は

「それはやってみましたよ

でも突き飛ばされたんです」





『何度つきとばされても

怖いだろうけど
それでも

抱きしめてあげて』



子供はどこかで愛を試してる

オトナの愛を試してる



今急にはじまったんじゃないんだ

ずっとずっと

なにか怖かったんだ

自分の病気の辛さ

病院


母親への苦労

学校での生活

体育の時間

給食

母親の愛の重さ

全部

幼いなりのストレス




ようやく言えるようになった今だから

爆発したんだ





これでも愛せるかオレを!

こんなオレでも愛せるのか!

もう可愛いあの頃のままじゃない!
 
苦しいのは母さんだけじゃないんだ!

どうだ、どうだ!


そんな叫び声なのかもしれない





だからお母さん

なぐられても蹴られても

抱きしめてあげて




「怖いけどやってみます」



彼女は私の無謀な宿題をそれをやっみようとしたがなかなか手が出せなかった


何日もかかった


もうダメ!と泣きながらいう彼女に

大丈夫、大丈夫と声をかけた

だって大丈夫だろうという漠然としたものがあったのだ





頑張れ!
と心で祈った




そして先日





ぴこさん

昨日
息子が私に負けてくれました

ようやく私に負けてくれました


抱きついて跳ね飛ばされ、タンスに私の身体がぶつかって

タンスの上に積んであった洋服の箱が倒れてきたんです

私の頭にぶつかって私はうずくまりました


そしたら息子は

はじめて

ごめん。。と一言言って
泣き出しました



ぴこさん
が言ったように


息子は自分の病気のせいで
私に苦労をかけていたことを小さい時からみていたんです



それが苦しくて苦しくて

でもなんと表現していいのかわからなくてもどかしくて
学校生活も友達とうまくいかず

でもそれは親には言えず

行き場のない怒りと悲しみをずっと抱えていたそうです



そういえば昔
幼稚園の年長さんの時
お泊り保育の時
うちの子は身体が心配で休ませたんです



そしたら
「お母さん、かほごって何?
ぼく、今日お友達から
かほごだねって言われたんだ」


幼稚園児が過保護など言うはずもなくその子の親が言ってるんだなと容易に想像できました


過保護だって言われても
うちの子はしかたないじゃない!
病気なんだから!


私は世間からも責められているんだとあの時は本当に悲しくなりました



健康に産めなかった罪

世間から責められる罪

息子への申し訳なさ

息子はそれを感じとっていたのですね

だから

苦しかった

母親の私が罪をしょってしまったから
あの子は母親に罪をきせる子になってしまった

ずっと息子を加害者にしてたのですね



ぴこさんに言われたことが
今ようくわかりました


だから行き場のない怒りで私に訴えていたのですね

私が抱きしめた時、あの子はむやみに突き飛ばしたりしなかった

突き飛ばしてももう一回きてくれるか期待していたんでしょうね

前は私がすぐ諦めてしまったから

でも今度は諦めなかった

突き飛ばされても抱きしめにいった

3回目の時タンスにぶつかったのです

でもそんな強い力ではなかった

私も泣きながら
息子にごめんね。そしてありがとうといいました



☆    ☆     ☆




親はいつだって子供が大事


でも子供だって親が大事なのだ



大事だから伝わらない時
とても悲しい





私達は

そうやって伝わらないもどかしさを
味わいながら
わかりあっていく

親子は特にそう


照れ臭くて
ほんとは認めたいのに
ごめん、といいたいのに言えない    



もう一回きてくれたら、そしたら許してやる!
と思ってても相手はすぐ諦める



なんだそんなもんか
なんだよそんなもんだったのか



オレは?
オレのことは?

ねぇ、かあさん

もう一回抱きしめにきてよ

ねぇ、かあさん。。。






そして最後には

やっぱり愛なんだね




時には体当たりでぶつかっていく

そんな時期があるのかもしれません





息子さん、学校に行き始めたそうです


そしてお母さんは
ずっとやってみたかったソシアルダンスをはじめたそうです


『ぴこさん

もうダンスが楽しくて!
 息子のことをかまってるヒマなくなりました。

もうあの子が学校休んでももう知らんわ(笑)



私ね

春には発表会で舞台に出るんですよ~

衣装とか練習とか忙しくて(^◇^)

頑張りますよ~♡』



よかった♡

彼女はもう
次のステージへ行ってしまったね


ステージ。。。


あ、舞台だけに!(=´∀`)人(´∀`=)


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ラブラブいつも読んでくれてありがとう
感謝でいっぱいぴこでしたラブラブ