映画『ソーシャル・ネットワーク』感想 | 高橋暁子のソーシャルメディア教室

映画『ソーシャル・ネットワーク』感想

デヴィット・フィンチャー監督による、世界最大のSNSFacebook創業者マーク・ザッカーバーグとFacebook創業などを描いた映画「ソーシャル・ネットワーク」は、昨日が公開初日でした。
丸の内ピカデリーの朝一の回を見てきました。
Facebookを知らない人にも、mixiなどと似たサービスであることが分かるでしょう。
周囲の人たちの引き込まれていく様子から、Facebookのすごい勢いが分かるはずです。
でも、結局描いているのはサービスではなく、人間そのものです。
ウェブサービス自体人が使うものなので、本当はデジタルではなくて人の姿そのものなのですけれどね。
人間を描いた映画として、かなり面白いと思いました。
主演のジェシー・アイゼンバーグの演技がとてもいい。
評価が高いのもうなづけます。
SNS好きだけでなく、Facebookを知らない人にもおすすめです!


★注意!★以下、ネタバレ気味感想です。★





出だしの5分がすごい。
たったの5分で、マークのプライドの高さ、頭の回転の速さ、人付き合いの下手さ、常識のなさなど、
キャラクターが分かってしまいます。
その後,物語は有名な二つの訴訟と過去の創業時とが並行して描かれていきます。
ちょっとしたアイディアとコンプレックスと自信の裏返しから、マークはFacebookを作り出します。
知り合い同士をつなぐことの面白さから始まったサービスだから実名主義であり、出会い系とは
一線を画する考えもこのあたりで分かります。
ほぼ唯一の友人エデュアルドに資金を借りて創り出されたFacebookは、瞬く間に快進撃を始めます。
マークの関心はFacebookだけ。
しかし、そこにナップスター創業者ショーン等が絡んできたことで、Facebookは大きくなるものの、
友人との関係は壊れていくことになります。
マークは徹底してコミュニケーション能力が低い天才、Facebookを大きくするという挑戦に夢中な
ギークとして描かれています。
マークは、友人エデュアルドのことは好きでいるものの、彼がFacebookを潰すかもしれないと
考えた時、報復をしてしまいます。
結局、マークは最年少の億万長者になりましたが、彼が元々金儲けにはまったく興味がなかった
ことを考えると皮肉です。

ラスト5分が圧巻です。
5分で、友達同士をつなぐサービス、Facebookを作った創業者のマークの深い孤独が描かれます。
食事をする相手もなく、ほぼ唯一の友人に訴えられ、一人残ってFacebookを作るマーク。
自分をふった彼女を振り返らせたいと思って始めたはずが、彼女もFacebookを使っており、
友達申請をして受け入れられたかを確認するために、ひたすらリロードし続けるマーク。
友人を失い、代わりに興味のなかったお金を手に入れた、孤独なマークの姿で映画は終わる。
その時のマークの表情は、ぜひ注目していただきたいと思います。
ついネットに書き込みすぎてトラブルになったり、SNSでの記述に無駄に嫉妬するなど、
あるある系の話も入っていて面白かったです。
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