SSD の種類(SLC、MLC、TLC)
SSD には2つの種類があります。
「SLC」(シングル・レベル・セル)と、「MLC」(マルチ・レベル・セル)です。
SSD の中にはデータを保存するスペース(セル)がたくさん用意されているのですが、1つのセルに1ビット(1単位)の情報のみを書き込むのが SLC、1つのセルに2ビット以上(2単位以上)の情報を書き込むのが MLC です。
そのため、SLC の方がシステムが単純な分、高速で、耐久性が高く、消費電力も少なくてすみます。
しかし MLC の方がデータをたくさん保存する事ができ、それにより容量が大きくても価格が安くなります。
よって SLC は高性能で高価格型、MLC は安価で容量重視型、と言えますね。
ただ、SSD の最大の欠点はデータの記録容量が少ない事です。
ですから容量を多くできる MLC の方が重宝がられており、技術開発も MLC の方が進んでいます。
その結果、MLC でも SLC に負けないデータの読み込み・書き込み速度が出るようになりつつあります。
最近は TLC(トリプル・レベル・セル)というものも出始めています。 MLC 以上にデータを多くできるタイプです。
ただここまで来ると速度や寿命の低下が大きいので、普及にはまだ時間がかかりそうです。
最大読み出し速度 / 最大書き込み速度
HDD(ハードディスク)も製品ごとに「読み出し速度」と「書き込み速度」が違いますが、SSD は発展途上のパーツであるため、製品ごとの速度差が顕著です。
モノによっては2倍・3倍も違ったりするのですが、HDD のように「回転速度」や「プラッタ容量」などの速度の目安になる項目がないので、商品だけ見ても性能が解りにくいのが実情です・・・
そのためショップやメーカーの方で、その製品の「読み込み速度」「書き込み速度」を測定した結果や、雑誌の計測情報などを独自に表記している場合もあります。
「CrystalDiskMark」 というソフトで
SSD の測定を行った結果です。
左側が読み込み(Read)、
右側が書き込み(Write)。
上の段が「シーケンシャル速度」で、
下の段が「ランダムアクセス」です。
読み出し速度、書き込み速度、共に単位は「MB/s」というもので表されます。
例えば読み込みが「100 MB/s」と「200 MB/s」の2種類があれば、200 MB/s の方が2倍速いことになります。
読み出し速度は「Read(リード)」、書き込み速度は「Write(ライト)」とも呼ばれます。
また、これらの速度にはファイルを順番に読み込んだり大きなファイルを処理する時の「シーケンシャル速度(順次読込/書込)」と、小さなファイルをバラバラに読み書きする時の「ランダムアクセス速度」の2種類があります。
基本的に SSD は HDD よりランダムアクセス速度に優れていて、HDD だと右の画像の測定で、一番下の段は 0.2~1.0 ぐらいの測定結果にしかなりません。
普通、データは HDD や SSD の中にバラバラに書き込まれますから、ランダムアクセス速度の方が動作への影響が大きいです。
よってランダムアクセスに強い SSD の方がパソコンは速く動作することになりますね。
測定結果は環境にもよりますし、速度の遅い製品がわざわざそれを明記している事もないので、確認は難しいのですが・・・
とりあえず、SSD は製品によって速度差が大きいことは知っておきましょう。
なお、SSD の登場によりこれらの速度が注目された事と、測定ソフトの普及によって、最近は HDD でもその速度が明記される事が多くなっています。
また、最近は「IOPS」という単位も使われるようになっています。
これは1秒間の処理速度を表す単位で、「ランダム読み出し 70000 IOPS、ランダム書き込み 50000 IOPS」みたいな感じで、主にメーカー側が性能を表す単位として使用することが多いです。
まだ一般化しているとは言えませんが、この単位自体は以前から存在しているもののようです。
キャッシュの有無 / キャッシュ容量
HDD には、バッファ(もしくはキャッシュ)と呼ばれるメモリ(データを一時的に保存しておく場所)がありました。
HDD の読み書きが忙しい時は一旦ここに未処理のデータを置いて、CPU が要求しているデータを優先して読み書きし、速度の向上を行っていました。
SSD の場合は処理が高速なため、このキャッシュ(バッファ)のない製品が多かったのですが、処理が忙しくなると一時的に動作が止まってしまう「プチフリーズ(略してプチフリ)」という症状が発生する事が後に判明します。
そのため現在はプチフリ対策として、SSD にもキャッシュが搭載される事が一般化しているのですが・・・
初期の SSD はキャッシュがないのが普通だったため、プチフリ対策が行われていないものも多いです。
SSD としてはキャッシュがあるものの方が、新しくて高性能(プチフリしにくい)と言えますね。
MTBF(平均故障間隔)
「MTBF」はパソコンの用語ではなく、一般的な機械製品の用語です。
「Mean Time Between Failures」と言う英文の略で、日本語にすると平均故障間隔。
要するに「壊れるまでの平均時間」です。
「壊れるまでの時間って・・・ 絶対壊れちゃうの!?」 と思うかもしれませんが、SSD の内部のメモリ(フラッシュメモリ)は書き込みをするごとに劣化していき、将来必ず使用不可能になってしまう性質を持ちます。
そのため、どのぐらい持つかがこの MTBF で目安として示されています。
いつか必ず壊れるのは、SSD の大きな欠点の1つと言えますね。
しかし SSD の技術改良が進んでいるため、通常使用で 20 年以上持つ高耐久の SSD も登場しています。
このぐらいのレベルになると、もう MTBF はあまり気にしなくてもいいでしょう。
SSD の種類としては、SLC の方が MTBF が長く、MLC は短い傾向にあります。
少しでも長持ちさせるため、SSD にはバッファ(キャッシュ、一時的にデータを保持しておくメモリ)が多めに搭載されており、頻繁に扱うデータは出来るだけそこに置いて、書き込みは出来るだけ控えるという方法が取られています。
また、最新型の Windows (Windows 7 以降)は SSD を出来るだけ長持ちさせるため、書き込みを抑える技術が導入されています。
これらの技術により、MTBF は徐々に気にしなくてもいいレベルになりつつありますが・・・
しかしそれでも、「SSD には寿命がある」というのは覚えておいた方がいいでしょう。
また、MTBF はあくまで「壊れるまでの平均時間」です。
「その時間まで絶対持つ」という訳ではないので、何かの原因で早く壊れる可能性もありますので悪しからず。
速度低下 と ガベージコレクション
SSD は長く使っていると、あるタイミングで速度が大きく低下してしまう問題があります。
HDD や SSD などのデータ記録装置は、まずは空いている部分にデータを書き込んでいきます。
そして空いている部分がなくなると、HDD の場合は不要なデータをどんどん上書きしていくのですが、SSD はデータの「上書き」が出来ません。
よって SSD は空いている部分がなくなったら、不必要なデータの削除作業を行います。
この削除作業を「ガベージコレクション」と言うのですが、この作業には相応に時間がかかります。
よってガベージコレクションが行われる段階になると、SSD の動作速度は低下してしまいます。
では、どの段階でガベージコレクションが実行され始めるのか、それによってどのぐらい速度が低下するのかですが・・・
それは製品ごとにまちまちで、明確に決まっていません。
一般にガベージコレクションが行われるタイミングは、SSD の容量が多いほど遅くなります。
容量があるほど「空いている部分がなくなった」というケースの発生は遅らせられますからね。
しかしいつ、どんな状況でガベージコレクションが行われるかは、その製品に搭載されているソフトウェア(SSD コントローラー)によって違います。
例えば、空いている時間にガベージコレクションを頻繁に行って、出来るだけ速度低下を防いでいる SSD もあれば、空いている場所が少なくなるまでガベージコレクションを行わず、寿命を延ばすのを優先している SSD もあります。
何段階かに分けてガベージコレクションを行って大きな速度低下を防ぐ製品や、使用状況から今後の予測を行い、先読みしてガベージコレクションを実行する製品も存在します。
どんな形が正解かは難しいところで、これは性能と言うより、製品やメーカーごとの特徴と言えますね。
とりあえず、SSD は長く使っていると速度低下が発生する、と言うのは覚えておいた方が良いでしょう。
ただし速度低下が発生しても(一般的な)HDD よりは高速なので、あまり気にする必要はないかもしれません。
また、この症状で低下するのは書き込み速度のみで、読み込み速度には影響しません。
【 外付けハードディスクと NAS について 】
ハードディスクはパソコンに内蔵されているものとは別に、外から接続する外部機器のものも存在します。
これらは USB や eSATA、IEEE1394 などのコネクタ(取付部)とコードを使って取り付けます。
コードを刺すだけで簡単に繋げられるので、初心者でも増設しやすいのが利点ですね。
持ち運びが可能で、他のパソコンへの付け替えも簡単です。
ただ、外付けは取り付けが簡単ですが、内蔵よりも割高で、速度的にも遅いのが普通です。
そのパソコンでしか使わないのであれば、内蔵型の方が性能や価格面では勝ります。
(MELCODiU-GTH)
USB 接続は最も取り付けが簡単で、お手軽かつ一般的です。
かつてはデータ転送速度が遅かったので、あまりハードディスクには向いていなかったのですが、USB 2.0 という規格に対応しているものなら十分に実用的な速度が得られます。
旧型の USB(1.1) だとデータの送受信が遅くなりますので注意して下さい。
HDD に使うなら、コードや中継機器は USB2.0 に対応しているものを使用しましょう。
なお、新しい規格である USB3.0 も登場しており、対応品ならさらに高速なデータの送受信が可能です。
USB 2.0 は端子部の色が黒、USB 3.0 は端子部の色が青なので、これが目印になります。