何年も前から作ろう作ろうと考えていたスピーカをようやく作りました。

JBLのD208(片chは2110)と075による超高能率(97dB)2ウェイです。

箱は、JBL L16 の物を使います。(箱だけ使用 上質な材料です。)

(非常に硬い高密度チップボードで、3/4インチ(約19mm)の板厚です。)

明るく、張りが有って、透明感溢れる、所謂JBLらしい音に仕上がりました。

 

【出来上がって毎日使っている様子(外側はJBL 2115+075の2ウェイ)】

 

【箱だけの様子(元の帯域分割は、低域は素通し、高域はFilm-C使用)】

 

JBLの8インチ・ユニット中、アルニコ磁石採用で使った事が有るのは5機種。

116Aは銅製、その他はアルミ製のリボン線エッジワイズ巻きボイスコイル。

(116Aはウーファ、LE8T、D208、2110、2115はフルレンジ)

*116AはL16に使われているウーファで、聴感上の余韻があまり伸びない。

*LE8Tは、コーン紙に白いダンプ材が塗布され重くなり、帯域バランス良好。

  (その反面、ダンプ材が無いものより聴感上の余韻があまり伸びない。)

*D208・2110・2115は硬く軽いコーン紙で、聴感上の余韻が大変伸びる。

 

【「JBL_theile parameters_2001」から抜粋(8インチの一部機種)】

 

最低共振周波数は、ウーファである116Aが一番低く、D208・2110が高い。

f0に於けるQ0はLE8Tが高く、D208・2110が低い。

効率(音響出力/入力電力)はD208・2110がダントツで高く、116Aは低い。

最大振幅(機械的な限界ではない)は2115が大きく、D208・2110は小さい。

振動系実効質量は116Aがダントツで重く、D208・2110・2115は非常に軽い。

(私個人は振動系実効質量は軽い程良く、Q0は低い程良いと思います。)

 

個人的な好みから低域用はD208(或いは2110)を使います。

高域用は、滑らかで透明・金気の得意な、お気に入りの075を使います。

 

【使用するユニット(D208と2110は極性は逆で、振動系は同じ)】

D208は民生用、2110はプロ用 ヨークの形状は異なるがフレームは同じ

075は初期の丸フランジのもので、馬蹄形金具で取付

 

元のL16は、大きさの割に低域がタップリして超低域への伸びも感じます。

コーン・ツィータは張りと輝きを感じ、明るい音が特徴と思います。

メーカー製のシステムとして、上手く纏められていると評価されています。

 

私は、軽い低音と張りのある中域、輝かしくも透明な高域が好みです。

その点では、L16の低音は少し重く、中高域に少し感じる雑味が残念です。

 

出来上がったシステムは、概ね期待した通りの音に仕上がりました。

余韻が良く伸びるので、ライブ音源ではホールの大きさも感じます。

クラシック・ジャズ・声物、何でも大変良い音を奏でます。

 

超高能率(97dB)なので、例えば85dBのものの1/16のパワーで済みます。

 

帯域分割回路については、その2で説明したいと思います。