毎日【60 Yamaha NS-C1000 その6】の状態で聴いています。

概ね良好なのですが、高域が少し強く、音像が少し前に出るのを感じます。

 

以前、JBL 2115 + 075 のシステムで行ったのと同じ事を試してみました。

【10 JBL 075礼賛】の文末で触れた、以下の内容です。(少し要約)

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前に出る感じが強かったので、075の前後位置で変わるのかを実験しました。

075の前端が箱の前端より+15mm⇒-15mmで音像が後ろに下がりました。

音像が奥にいくと高域が減って聴こえ、2dB上げて良いバランスになりました。

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同様の対策で効果が有れば望みの音が得られそうです。

但し、NS-C1000はツィータとウーファの位置を変化させる事は出来ません。

そこで、バッフル面を傾ける事で同様の効果を得る事にしました。

 

【Yamaha NS-C000に、置台による傾斜の付与(前面)】

 

置台の前縁に物を挟んで傾斜を与える。(後縁はヒンジで、角度変更可)

 

【Yamaha NS-C000に、置台による傾斜の付与(側面:傾斜小)】

 

この状態では、耳よりもスピーカの位置が低いので効果が不十分。

 

【Yamaha NS-C000に、置台による傾斜の付与(側面:傾斜大)】

 

これにより、耳とツィータ及びウーファの距離はほぼ同じになりました。

音を聴くと、高域の強調感と音像の前後位置は適正化されたと感じます。

 

角度が付く(10度位)のですが、指向性による音圧低下は問題ありません。

多くのスピーカ・システムに対して同じ方法が適用出来ると思います。

 

ツィータ及びウーファの発音位置(距離)を同じにする事で適正化出来ます。

何の違和感も無く音を楽しむ事が出来るようになりました。

Yamaha NS-C1000 についての検討はこれで終了です。(多分?)

 

因みに、学術的に「先行音効果」と呼ばれる現象と関連しているようです。

そっくりそのままではありませんが、人の感じ方による要素が大きいです。

 

オーディオ・メーカー製のスピーカ・システムにも配慮した物がありました。

但し、主流にはならなかったのは認知度が低かった為と思います。

 

Yamaha NS-C1000 についてのまとめ

 

本来持つ良い点は何か?

1.非常に大きなアルニコ磁石を使った超強力な磁気回路

  ウーファ:何と55mm径!  ツィータ:何と40mm径!  どちらも巨大

  磁束密度がウーファ:13000ガウス、ツィータ:15000ガウス、との情報有

2.鳴きの少ない、分厚く良い材料で作られたエンクロージャ

  厚さ20mmの高密度硬質チップボード(その為、非常に重く、硬い)

3.軽量・硬質な振動板による低歪化の実現

  ウーファ:高密度シート素材で作られた軽量カーブド・シート・コーン

  ツィータ:チタンにベリリウムを蒸着したドーム型でエッジワイズ巻VC

4.ウーファのフレームが丈夫なダイカスト製(鉄板プレスより上質)

 

私が良くないと感じた点は何か?

1.帯域分割回路の設計と部品の両方に大きな問題点

  ・ウーファの高域インピーダンス補正が無く2kHz台に共振峰が有る。

  ・ウーファとツィータが同相で接続され、位相変化が急で群遅延大

  ・コイルにはフェライトコアのものが使われていた。

  ・ウーファ側のコンデンサはBP(バイポーラ(両極性))の電解

2.吸音材の不足

  ・天面の内側に吸音材が無く、コーン背面からの反射音に無防備

  ・底面の内側の吸音材が少なく、効果に疑問

  ・背面の内側の吸音材が薄く、効果に疑問

3.ツィータに対してウーファが奥にあり、耳への到達時間に差がある

 

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元々の素性の良い製品なので、改善効果が大きく、非常に良くなりました。

良いものを一生懸命に作ったメーカーと設計者に感謝です!