帯域分割回路を更に変更し、クロス周波数附近の特性を変えました。

合成特性でクロス附近の低下量を増やし、聴感の改善を図ります。

 

【Yamaha NS-C1000の帯域分割回路・改4.7】

 

ウーファ側のコイルは巻き数を若干増やしてL値を0.6⇒0.67mHとしました。

コンデンサはメタライズド・ポリエステル型の2個合計5.7μFに加え、

メタライズドペーパー型(元々JBLのスピーカ・システムに使っていたもので、

紙筒に入れて粒状の石英を周りに入れ、蝋で封止したもの・・・ 多分)の

3μFを並列に接続しました。

 

ツィータ側のコイルは手元に有った空芯の0.35mHです。

ツィータ側のコンデンサはメタライズド・ポリプロピレン型の4.7μFです。

(ニッケミのTACD型で、音響用で使えるもので、箔の巻きが硬い)

 

【Yamaha NS-C1000の帯域分割回路・改4.7のシミュレーション】

 

合成特性でクロス附近の低下量が1.4dB⇒3.3dBと約2dB増えました。

位相変化や、群遅延の変動も問題ありません。

 

この状態で音楽やドラマやトーク物を聴いてみました。

いい感じに仕上がったように思います。

JBL 2115 + 075 + マルチアンプのシステムと使い分けたいと思います。

(JBLシステムの方が穏やかな音ですが、低域の緩さを若干感じます。)

 

このスピーカは、使用ユニットがとんでもなく素晴らしく上質でした。

ですが、残念ながら帯域分割回路は良くなかったと個人的には思います。

 

【Yamaha NS-C1000とJBL 2115 + 075 システム】

 

【Yamaha NS-C1000と傾斜付置台】

 

箱を若干上向きに傾け、耳とウーファ・ツィータ間を等距離に近づけます。

時間差の補正はこれが一番手っ取り早い方法で且つ効果的です。

 

【Yamaha NS-C1000と周辺機器とスクリーン】

 

昨夜は、録画しておいた「孤独のグルメ」やN響+ファビオ・ルイージの

ベートーベン・バイオリン協奏曲をプロジェクタ併用で楽しみました。

(僅かに高域勝ちの印象がありますが、暫くはこのまま聴こうと思います。)

 

軽量振動板と超強力な磁気回路のお陰で【高能率】【低Q】が得られました。

★余韻が良く伸び、ホールの広さを感じます。

★低ひずみで張りが有り明るく弾むような楽しい音が得られました。

★低音域の緩さを感じる事は全く無く、静かな低音と感じます。

  (これを聴いてからJBLシステムを聴くと、緩さがあった事を知りました。)

 

このスピーカは、販売開始が1991年で、バブル経済が崩壊した年です。

通常、製品の設計開始は1年或いはもう少し前からです。(経験上)

この贅沢極まるスピーカ・ユニットはバブルの影響下で開発されたものです。

 

ウーファのフレームは非常に剛性が高そうな金属ダイカスト(多分アルミ)です。

(単体で2.7kg以上あるとの事で、JBL D208(20cm)が約1.9kgなので、凄い!)

多くの同径ユニットでは鉄板プレスで鳴き易いのですが、これは立派でした。

バブル期にはオーディオや車や、案外多くのものに贅沢志向が有りました。

 

未だ動作可能な個体が結構残っている筈で、有効に活用したいものです。

(エッジをはじめ、大きな劣化を心配するような材質は無いようです。)

もし、幸運にも入手した方は、存分に楽しんで頂ければと強く思います。

 

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今回の教訓

低音域を奏でるスピーカーは、f0のQが低い程、音質は良さそうだ!

(その代償として、量感は大きく減るので補正回路を要する。)