No.30のシステム高音質化の理由の一つであるDC付加機能について話します。
今日は'21年2/23ですが、2/22に放送された音楽番組で特に実感出来ました。
NHKBSプレミアムの【クラシック倶楽部】の1曲目の田村響さん演奏のピアノ曲です。
ドビュッシー作曲「ベルガマスク組曲」からの「月の光」でした。
聴いたのは深夜の非常に静かな部屋(耳がキーンとしそうな)の中です。
勿論、エアコンはOFF、他にも音を出しそうなものは全て停止状態です。
No.26プリのATT位置は26dB附近なので、信号がもし最大なら以下の出力です。
DAC出力が2V、プリの利得が1.2倍、ATTが26dBなのでプリ出力は0.12Vrms。
パワーアンプの利得が6.5倍、出力電圧は0.78Vrms、8Ω時の出力電力は76mW。
これは信号が最大時なので、「月の光」の弱音部では多分5mW以下になります。
この小さな音量では、余韻の出方でホールの大きさの感じ方が変わります!
(余韻の消えていく部分では、1nW(ナノ・ワット)位まで下がります。)
ここで、特にJBL 075への影響は予想していたよりも大きかったのです。
弱音部で、DC付加していたのをゼロにすると、響きの消えるのが早くなります。
すると、ホールで響いていた音の拡散が減り、ホールが小さくなったように感じます。
再びDC付加(60mV程度)すると、余韻の音量が上がり延びてホールが大きく感じます。
スピーカの帯域分割をLCネットワークで行う場合、JBL 075にはDCは行きません。
チャンデバではパワーアンプと直結となるのでDC付加が可能になります。
これは埋める事が出来ない大きな差と思います。
JBL 075のようなダンパ・エッジの無いものにもDC付加が有効なのは新たな発見でした。
(試してみるまでは、ツィータでは効果が得られないのでは? と考えていました。)
DC付加すると何故微小信号に対する直線性改善に繋がるか?
多分、スピーカに使われている各種材料のヒステリシスによるものだろうと思います。
*機械的中立位置から動き始める時に、微小入力では動くべき量より少なくなる。
*予め直流成分である程度動かしておくと、そこからの動きは、より正確になる。
*イメージ的には磁気テープに記録する場合に利用するバイアスのようなものです。
ボイスコイルとボビン間の接着剤、ボビンと振動板の間の接着剤は影響がありそうです。
フルレンジとかウーファでは、ダンパー・エッジも関係しそうです。
実際に微小信号領域で測定出来ればスッキリするのですが、今のところ出来ません。
耳で聴いて判るので、「まぁ、それでイイか」と思っています。