No.28のパワーアンプ用対数圧縮型メーター駆動回路を紹介します。 

適用信号レンジは、0~-70dB程度と大変広く、使い勝手は良好です。 

周波数応答は低域で若干低下しますが、実用上問題無いと思います。 

使ってみると案外良かったので、興味のある方はお試しください。 

 

簡単な回路なので、温度補正は無く、高温では表示が下がり低温では上がります。 

オペアンプの電源電圧は今回±6Vですが、電圧が上がる分には問題ありません。 

使用するオペアンプはFET入力型とする必要があります。 

(バイポーラ・トランジスタ入力型では大きなオフセット電圧が発生し、使用不可) 

 

【回路図】

 

 

この回路では、3Vrms入力で「目盛0dB」となるように半固定抵抗を調整しています。 

パワーアンプの無歪最大定格出力は8Ωに対し4.5Wなので6Vrmsが「0dB」です。 

(BTL出力のパワーアンプですが、メーター用は、片側の出力を取り込みます。) 

(メーター自体は、おそらく昔のカセット・デッキ用で、VU計の目盛になっています。) 

 

他のパワーアンプで使う場合は、その定格出力に合わせてR1の値を変更します。

例えば、BTLではない50Wのアンプでは、定格出力時に20Vrmsとなります。 

今回の回路例では3Vrmsで「0dB」なので、R1を10kΩの【20/3】倍とすればOKです。 

6.66倍となるので、R1を68kΩ(E12系列)とすれば概ね辻褄が合います。 

 

【実際の動作の様子】 

メーターの目盛はVU対応なので、+3~-20dBが表示され、当然全く合致しません。

 

0~-70dB及び信号OFFに対する振れ方ですが、なかなか良い感じです。