冬の海は寒い。

でも、その明るさを見ていると、心は温かくなる。

その日、国道56号線を囲む緑に紅葉の部分は見られたが、山の大部分を占める常緑樹の迫って来る圧倒的なエネルギーは、私の冬に対する観念を変えた。

 

      

      

 

昼下がり、当然のように人の姿のない景色が広がっていたが、穏やかに寄せ来る波と白い砂浜は確かに人を待っていた。

 「ごみを捨てるな」の注意書きの成果か、訪れる人が少ないためか、砂浜にごみはなかった。

 

    

 

 目を東南に転じると、青く重なる山々が、これもまた、天の下に堂々と座っている。

 人の世界は、今年、2020年は新型コロナウィルスに戦時中のような生活を強いられた。それは、未だ続いている冬の季節下にある。自然界は、もう春に備えて、春を告げている。そのエネルギーをもらった。