練習の強度を上げたことを告白すると、お医者さんはやはりという反応でした。

「これからはかなり練習を抑えて下さい。走るのは完全に禁止ではないけれど、このままならば入院は避けられないでしょう。心エコーの結果もよくありません。」

そうなんだ…やっぱり最初に聞いた難病なのかもしれない…でもまだわからない。そうだったらどうしよう…

また振り出しに戻った気持ちでした。

実はその週の週末は試合がありました。

「先生、試合はダメですよね?」

「はい、許可できません」

当たり前ですよね。。。


でも息子は走りました。

親や医者の反対を押し切り、自分の人生だからと試合に出ました。

私は最後かもしれないと祖父母を呼び、友達にも声をかけました。

彼は必死の形相でラストまで走りました。

最後は相当きつかったと思います。

試合の成績は決していいものではありませんでした。

でも深々と競技場に一礼、スタンドに一礼しました。その姿が誇らしくかっこよかったです。

自慢の息子だと改めて思ったし、彼の選択を最終的に尊重して良かったと思いました。

これは今でも思ってますし、私はこの日を一生忘れないと思います。