1人ホテル

寝過ごして判断力を眠らせたまま、「寝過ごした」メールをあわてて打つ。

慌てる所はきっとそこではない。

後で自分のメールを読んで正直に「何してんだ私」と思った。

吐いたので、お湯で身体は流したい。メイクはもう軽く直す程度で、誰も観てないだろう。

そして、地元の時と同じ格好に今回はシャツにタイをつけたかったので、結び方も練習していた。


時間を計っていたので、痛み止めを飲む。

吐いたせいか、ずいぶん楽だ。私はいつも固形ぶどう糖を持ち歩いているので、それを1つ口に入れる。

17:40

なんとか車椅子を持ってエレベーターへ。

フロントで、どうしても気になっていたので

「空気入れはやはりありませんか?」

と聞いてみる。時間もないし、断られるだろうと思ったから、聞いてみただけである。

どこかで借りようと思っていた。

そしたら、まさかの

「あります」

とのこと。

17:44

ま…間に合わない…

でも…

とりあえずすぐに出来ると言われたので、入れてもらおう。

そして、フロントの男性が車椅子は1階に持ってきてくれるそうなので、私はタクシーをお願いしようと、1人で降りた。

結果、フロントマンにタクシーも止めてもらった。

正直、途中で入るのが嫌だったので、少し焦っていた。

運転手さんも、2つあるうちのどちらのライブハウスかわからないと言う。

ホールのナンバーは登録していたので、電話して、今から問い合わせていた車椅子が行くと伝えた。

ホントに近さでホテルを取っていて正解だった。

運転手さんは、ギリギリまで車を寄せてくれた。

おそらく奇跡的に、18:00少し過ぎには入れて、なんとか間に合った。

…のか、ホールスタッフさんと主催側が連絡してくれたかだと思う。


とにかく驚いたのは、下で3人の人間が待っていたと言う、信じられない事実。

車椅子ごと持って行くつもりだったのかなあ。

しかも後で知ったのですが、店長さんもいました。

いいホールだ…。


遅れたおかげで、慌てた私はきっと普段の5倍くらいのスピードで階段を上がった(それでも亀のようなものです)

さすがに痛みが走る。でも期待の方が遥かに高い。

これ以上は迷惑かけられない。

早く上がらなければ。

息が切れる。でも、生きてるな私。迷惑はかけたけれど、こうしてここに立ってる。

ホールに行くと、物販のかわいい女の子が私を覚えててくれた。

ちなみに私も覚えていました。可愛いショートだなあと思っていたので。

しかも私は物販の後ろに車椅子を置いてもらっていますが、ここ…私は邪魔じゃないのかな?

一応大丈夫との事でした。


しかも、立った状態で、車椅子の足乗せに足を固定出来る。コレは楽です。

もう、なんか痛み止めもなんとか効いてくれてるように感じるし、吐き気はないし、後は楽しむだけだ。検査のことなんか数時間忘れたって何にも支障はないし。

歌詞もなんとか覚えてるし、持ってないのはインタネで調べて覚えたし。

なんとかここまで来れたし。


ちなみにやはり手はたたけないし、上がらないから、(片手はクラッチ握りしめてるしね)ひたすら歌っていました。


ものすごく楽しかった。

途中でスタッフさんが私の左手を乗せて支えられるようにイスの背を前に持ってきてくれました。

コレは本当に嬉しかった。

どれだけ助かったか。


しかし、アンコールの前に少しだけ休もうと、座っていたので、立ち上がろうとしたら、あろう事かめまいがして、クラッチを取り落とした。

とっさに音がしないようにと下の方をつかんだのは良かったけれど、起き上がれない。すぐに来てくれたスタッフさんが支えてくれて、すがりつきながら車椅子に座らせてもらいました。

良かった。1番後ろで。しかもお客さんは誰も気がつかない場所で。

スタッフさんにあやまって、座ったまま聴きました。

ホント、コレが1番迷惑かも。

反省しています。


1度アンコールが終わった後に、2回目のアンコールが起こる。

その時はなんとか立てた。

ホント、すいませんでしたスタッフさん…。眼が離せなかったと思います…。

でも、これ以上ないくらい楽しかったですよ。

至れり尽くせりとはこのことか、と思いました。


ここのホールでなかったら、無理だったと思います。

しかも、終わったら、物販にステージ上のアーティストが来てくれるとの事!!

私は車椅子で後ろに下がり、少し休ませてもらえるという、VIP 扱い…。


物販でサインしているアーティストを後ろから見れる人なんてファンでは私くらいです…からだが悪いのはいい事もあるよ…。


しかし、以前からおかしいと言われる傾向のある私。

サインをしているアーティストを観る前に、スタッフの女の子の素晴らしい動きに眼が釘付け!

1人でグッズのすべてを売って行く。
(もちろんアーティストはサインと握手と忙しいのですよね)

袋に入れて、お金を受け取って、おつりを計算して、ファンの方に渡す作業を、まるで水が流れるようにこなす。しかもかわいい笑顔で…。

な…なんだこの仕事のできる人!かっこいい!

しかもお客さんが途切れたすきに、

「何か買われますか?」

と、後ろにいる私にグッズの一覧が書いてあるボードを見せてくれると言う離れ業までしてくるよ!

「あ、あのこのポストカードって…あ、お客様です。すみません、どうぞ」

私なんか後でいいですよ!!


で、持っていないCDが欲しかった私は、1枚しか買えませんので、最後で時間がないであろう方をお待たせしながら1枚をようやく選び、ボーカルの方に

「後ろで凄くいい笑顔の人ですよね」

と言われ、ぽかんとしてしまい、

「ステージから観えるんですよ~」

1番後ろなのに?隅っこなのに?あ、リップサービスか!

でも嬉しい!私はかなりの動揺を見せたと思う。それは恥ずかしいくらいに良い顔してるだろうともよ。
まさか2回目のライブに新幹線で行くなんて、しかも1人で。
ホールの人や主催の人がこんなにしてくれるなんて、思ってもいなかったですから。幸せでした。


何話したかドキドキして覚えてないです。

なんか、いつも手を叩けないのが悔しくて

「手が叩けないので…あの、すみません…」(もっと言う事あるだろう!!緊張し過ぎ:笑)


変な事はたくさん言った記憶はある…「転院がのびて、やさぐれて来ました」的な…


わたしのばかばかばかっ!!!絶対にまだ言う事あった!!
皆さんキラキラしてて、頭の中真っ白になったし、リップサービスとわかっていても、覚えててくれてるなんて嬉しいではないですかっ!


持っていないCDにサインをくれた事、名前まで入れてくれた事、そこはしっかり覚えています。

それと、ポストカードはあきらめて、持っていなかったのでパスケースを買いました。


私のカードには名前が印刷されているので、以前から隠せるように欲しかったのです。

ポストカードも、CDも欲しいのはあった!!Tシャツも全部欲しい!

帰るお金もいるし、タクシーは使わなければとてもではないが身体が持たない。

握手してもらって、帰りました。

最後に握手してくれた人が、この前もサインと握手してくれた人で、握手をしなれてない私は、やっと今回まともに握手出来ました。

うん、リハビリの先生とは違うなあ~。

(当たり前じゃっ!)


物販の女の子の花柄のショートパンツが可愛かったので、それは言ってしまった(笑)



さて、階段です。正直、もう震えが止まりませんでした(笑)

シュシュを外す事も出来なかった(クラッチと手を髪を結んでるシュシュで結ぶと、握力なくてもクラッチが手から離れません。)

でも、そんな事より、ホールを借りている時間があるのにお話しをしてくれた事がとても嬉しかったです。時間オーバーしてないかなあ…。


とにかく、階段から落ちたら確実に病院行きで、誰にも言ってきてないから、大ピンチです(笑)


スタッフの方がタクシーの所まで車椅子を押して行ってくれました。

結構遠い上に土地勘がないので凄く助かりました。


なんか、もう親切の大ラッシュで、どこにお礼を言って良いのかわからない。

ホテルに帰る前にコンビニでご飯買いました。

名物を食べないで帰ると言う暴挙を犯しました。

食べれるだけ幸せです。

幸せですが疲れ方は地元の100倍です。

お店に入るのも無理な状態でした。

痛み止めは6時間空けるようにしていますが、5時間くらいで動けなくなり飲みました。

早速、無事に着いた事をメールで連絡しました。


私に好かれて、…本当に迷惑だったと思います(笑)

優しい人です。


やっとシャワーを浴びて、お布団に入りました。枕元には今日の大事なCD。



どんなに私が気をつけていても、私がいるだけで周りには迷惑な時はあります。
でも、それでも行って良かったです。

それを自分に赦せるようになりたいです。

前の私とは違うのです。



前の私には好きな人なんていなかった。

やっぱり前の私じゃないなあ。


自分の事を好きになれる日が早く来ると良いな。



正直、帰りはどうやって帰ったのか、イマイチ記憶にありません。



家について、車椅子のお手入れだけしてダウンしました。

背中が真っすぐになりません(笑)



まだいろいろあった気がするが、とりあえずこんな1人旅でした。

よく帰って来れたな。

お土産も荷物になるから買って来れなかった。


コレはちょっとショックです。

食べたいのあったんだよなあ~~。



まあ、楽しかったです。

そして、毎日聴いています。

飽きる事はないのか~(笑)



では、一旦終わります。

また思い出したら少しずつ書くね~。



お疲れ様でした。