「剣道」の印象は人それぞれでしょうが、私にとっては「いいのもであるが、自分には関係がないもの」である。まず人を叩く、叩かれるということが嫌である。練習であろうとなかろうとそんなことは極力したくない。子どもの頃からなぜ好んでするのか、全く理解ができなかった。あの重そうな防具を身に付けて、竹刀を振り回す必要があるのか、まだ柔道やボクシングの方が理解ができる、と思っていた。


 しかし大人になってみると、剣道をやっていた、という人物に会うとどうしてか、一角の人物であることが多い。スポーツとして極めること以上のものがあるのではないか、と感じるようになった。

 最近読んだ本の一つに「武士道シリーズ」がある。誉田哲也さんの本である。高校生の女の子が主人公であり、話のテンポもよく読みやすい。主人公やそのストーリーもさることながら、剣道の魅力が非常にわかりやすく書かれている。武道としての「剣道」、スポーツとしての「剣道」。武道とスポーツは似て非なるもの。その違いを人物を通して描き分けている。

 昔オリンピックの種目に柔道か剣道かで論争があったと聞いた。オリンピックの種目になったこともあり、柔道は世界に広まった。東京オリンピックではルールの改正もあり、日本がメダルを多く占めたが、コソボ、フランス、ロシアなど強豪と言われる国が出ている。

 剣道ならば、より日本の文化を理解してもらえるのではないか。スポーツ化されていくことに反発もあるだろうが、「武士道」というわかりにくい道徳観を伝える役割を果たすことができるであろう。

 私には縁のなかった剣道が今は非常に「かっこいい」ものに思える。でもやはり叩かれるのは嫌だから観るだけにしておこうと思う。