出逢いは
2003年の初夏。

それまで使っていた香水は
あっさり爽やか系だったので

「女の子らしい、
甘めの香りに変えたいな」

と思い

調香師さんがお一人で経営されている
小さな香水屋さんへ行きました。

甘い香りのものばかり
片っ端から試していると

背後から
「お客様…」
と調香師さんの声。

「お客様、甘い香水をお探しのようですが、
今まで手に取られたものすべて、
お客様にはお似合いになりません」

…え……?

…似合わない……?

「お客様には、
こちらです」

手渡された紫色の香水。

それが

ランバンの
『エクラ・ドゥ・アルページュ』

でした。

「バーテンダーは、
お客様がカウンターに座られた瞬間にそのお客様にぴったりのカクテルを出せなければプロではありません。
お客様を見抜いてぴったりのものをお出しするのです。

調香師も同じです。
あなたがいらっしゃった時から、
僕はこれをお出ししようと思っていました」

迷いのない、
自信に満ちたその言葉に圧倒され

その日はとりあえず
10mlだけいただいて
帰りました。


あれから6年…

結局
他の香水に気持ちが移ることは
一度もありませんでした。

思い出も思い入れも
たくさんありますし

きっとこれからも
この香りを纏って
生きていくと思います。


ちなみに、
2~3年経ってから
久しぶりにもう一度その香水屋さんにお邪魔した時…

お店に一歩入るなり
あの調香師さんが

「こんにちは。
ランバンのエクラ・ドゥ・アルページュでしたね」

と出迎えて下さいました。

彼はまさに
プロなのですね。