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写真は、アオリイカ釣りで使用する餌木(エギ)である。
一目、どのエギが一番良いか分ればかなりの通。

寒くなるこの時期「アオリ」をやった。
数は望めないが、800グラム以上の大型になり食べたら最高である。
外道として、スミイカ・モンゴイカも釣れる。
漁師は直ぐに区別するが、どこがスミでどこがモンゴか教えて貰った。

さすがに寒風吹き荒むこの時期となれば、釣りの対象もめっきりと減ってしまう。
そんな時期の「アオリイカ釣り」も仕方の無いところだ。
真鯛の仕掛け、1.2メートル程の手ばね竿に道糸8号を50メートル、
7~8号程度の中錘、ハリスは6号を2ヒロ取り、エギを直接結ぶ。
ハリスの長さが真鯛の時には5~6ヒロであるから、基本の道具は変わらない。
決め手は、やはりエギである。

この釣りをすると必ず思い出すのが、伝統の「イワシ鯛」である。
初めて洲崎を訪れたのも「イワシ鯛」暮の押し迫った大晦日だった。
生イワシのヒラメ釣りをイメージする方も居るでしょう。全然違います。
何と塩漬けにしたイワシの切り身を使うのです。
その塩漬け方法は門外不出で、絶対に教えてくれません。
塩加減が非常に難しく、鯛は甘口。沖メジナは辛口とも聞きました?
真冬の朝3時から仕込んでいたそうです。サシエの作り置きは出来ないんですね。
泳ぎだしそうな塩イワシの頭部と尾を切り離し、細かくコマセ用にトントンと潰します。
身の良い所を2~3つのぶつ切りにします。
釣り客には、プラざるに入れたこのサシエを渡すのです。
釣り方は至ってシンプル。
亜鉛引きの磯針に2,3個の切り身を刺し、一寸握り固めてから投入します。
「イワシ鯛」にシャクリは不要。音無しの構えで待つだけです。
その間、漁師さんが大きな竹ばしで潮上にコマセを投入しています。

私の知る限り、最も風情のある釣りでした。
イワシの鯛は引きが強いとも聞きましたが、とうとう釣ることは出来ませんでした。
冬でも生きエビがある時代となり、伝統の釣りはいつの間にかなくなりました。
ある時、「イワシの鯛、やらないんですか?」て聞くと
「おめえら、イワシの鯛知ってんのか!そうか、イワシの頃の仲間なんだ」
浜に居た初老の漁師さんたちは、ニコニコ顔でとても懐かしそうだった。
ああ、また「イワシ鯛」やってみたいな!