子供心に部屋に入ったら大変な事になるって思ったんだと思う。


恐怖と悲しみが諦めになり、孤独感を感じながら

施設内をただ時間を潰すように彷徨っていたんだよね。子供心にあの虚無感ったらなかったね。


波のあるプールの近く簡易的なテーブルには、家族連れや仲間達がそれぞれに午後の時間を楽しんでいたと思う。

幸せそうで羨ましいと子供心に思っていたのよ。


トボトボ歩いてたら

ヒョイと誰かに抱っこされたの。


それは外国の女の人だった。

女性が5〜6人いた中の1人の外国人。すごく化粧の濃い綺麗な顔の若い女性だった。

フィリピン系かな。ちょっと分かんないけど。



女の人は

『どうしたの?1人?お母さんは?』

カタコトで聞いた。


そして、『何歳?可愛いね』と言ってから彼女は

クスン、クスンと泣き始めたのよ。

そして強く私を抱きしめたの。


私は子供心に

ええーっ、どうしたー??

なんでーなんでーなんで泣いてるの?

って思っていたの。怖いよーって。


そしたら、今度は隣のお姉さんが

『私には抱っこさせて』と言って、

そしてら、そのお姉さんも、また泣き始めたんだよ。そして、何故か全員が抱っこさせてとなって、そこにいた全員がワンワン泣くっていう、謎の状態になったの。 


シクシク泣く女性や

思わず何かを思い出したかのように声を上げて泣く女性。涙の合唱が一斉に起きたのよ。 


知らない子供を抱きしめながら

6人位いる女性が全員泣くという、あり得ない

状況に私はパニックで思考停止。

人形みたいに固まってたと思う。。。


私の脳内は

どうしよう

連れ去られるかもしれない!

外国に連れて行かれるかもしれない!


       つづく