中絶に関しての話が出てきます。これは私たち夫婦が出した結論であって中絶を勧めるものでもないですし、正しい判断だと思っていません。
ご気分の害される方はこれ以上読まないでください。














私が一晩中痛みで立ったり座ったり横になったり声を呼吸法を意識してみたりしている間もお腹の子はポコポコ動いていました。

痛い?苦しい?と思っていたのですが、結局明け方までずっと胎動は感じていました。

ただお腹はいままでと違う、上に突き出したような変な形になってました。

収縮のせいかな…
居心地悪いよね?もう苦しまなくていいからね…

胎動を感じたのはこの頃が最後だったと思います。
あとは痛みのせいで胎動を感じる余裕がなかったのか、すでに…



朝5時。

昨日最後の促進剤入れて10時間経つものの陣痛は弱くなるどころか、一段階強くなりました。

我慢しきれずオットに電話。

……出ないえーん

30分後、また電話。

…………出ないムキー

朝6時にやっとつながって事情を説明してすぐ来てもらいました。

「お腹の痛みで一晩中寝られへんで、お腹が痛くて…波が来たタイミングで腰さすってくれへん?」

とそこからずっと腰をさすってくれました。

これがまた効くぅ笑い泣き笑い泣き

気持ちの問題だとは思うのですが、人の手の力は大きいなと思いました。手の温かさだけでも痛みがマシになります。


そしてやっと朝7時になったので促進剤を入れたらもう一段痛みがひどくなりました。


「頭がだいぶ降りてきてるみたいだからもうちょっとですよ、頑張って。子宮口も3㎝に拡がってて、赤ちゃんの頭が5㎝くらいなのでそこまで拡がると出てきてくれると思いますよ。」


陣痛の間隔は1、2分と短くそのたびに「痛たたたたた…」と声が出るようになりました。

「力を入れると子宮口がきゅっと閉じちゃうからできるだけ息をして力を入れないようにしてください。」

そう言い、助産師さんが部屋から出て行ってから3回くらいかな?陣痛を息で逃していると子宮口が拡がる感覚がわかりました。

そこで下腹部にちょっと力を入れてみるとぬるっと何かが出そうな感覚が…


「なんか出る!看護師さん呼んで!!」

とオットに言ってから看護師さんのすごい迅速な対応!!

すぐに4人くらいが駆けつけて機械持ってきたりベッドにシートを引いたり…

1人の助産師さんが「頭出てる!先生まだ!?あきさん、力抜いてー!力入れないで我慢してねー!」と言われ頭を押し戻されました。

もう痛みがひどくて早く出してしまいたいのに、力を抜けと言われてしまう。

早く…とずっと思っていました。

やっと先生が来て(最終的に4人いました)「膜があるからこのままいこう」と言ってました。

「あきさんー、膜破れてないからこのまま出してあげましょう!力入れずにゆーっくり出していきましょう!」

力を入れていいのかダメなのかわからず色々試してみると、ある程度力を入れたときに「そうそう!上手!」と言ってくれ、あ、これかと思い試してました。

みちみち…と引っ張られる感覚がある間先生と看護師さんたちはただ何もせず見守ってる…すごい静かな時間でした。

みんなからは赤ちゃんの膜が見えてる…

今見えてる赤ちゃんは…どんなのですか?

生きてますか…?痛みの中で気になりました。


「これ…進んでるんですか?」と私が聞くと慌ててみんなが

「進んでますよ!上手!このまま行こう!」と。

「ゆーっくりでいいからね!無理しないで!」という助産師さん。

「ちょっといきんでもいいよ。」と先生が言うと助産師さんに怒られるのか「あ、ごめん…」と謝るやりとりが2回ほどありました。

この助産師さんの怒りの意味は後ほどわかります。


最後「もう出るよー」と言われ力を強めにいきんだところ




パンッ



という音

からの

ズルっという感覚

からの

ばしゃー!

と水が出る感覚。




ですべて終わりました。


すべての痛みがなくなり、先生たちが処置をしてくれてます。

赤ちゃんが冷たい金属のトレーに乗せられて連れて行かれる…


「赤ちゃん見る?」

と言われたときにとっさに首を振ってしまいました…


赤ちゃんがまだ動いているんじゃないかって恐かったんです。

このとき赤ちゃんを見なかったのが正解なのかどうか未だにわかりません…

でも、自分の子どもがトレーに乗ってる姿を想像しただけでも心が苦しいです。。

やっぱり見れなかった。そう思います。


そのあと先生がお腹をちょっと押すとまたぬるっと何かが出る感覚があり、他の先生が臍の緒と胎盤をちぎることなくきれいに出し切ってくれました。

「お母さん本当にきれいに赤ちゃん出してくれましたよ!赤ちゃんすごいきれいですよ!よく頑張りましたね。」

みんなすごい褒めてくれました。


でも誰も「おめでとうございます。」とは言ってくれません…


私は痛みがなくなった開放感と放心で涙が出ませんでした…

ぼーっと部屋の壁を見つめていました。